第2話

 ワシに近づいた女性達は、ワシに身振り手振りで飲み物と食べ物を要求してきたので、安部はリュックからペットボトルを三本と携帯食料の菓子パンを取り出すと女性に手渡していた。


「$#%&%##」


 女性達からお礼の言葉とおぼしき礼を言われたワシは、少し照れくさくて、頬に手を当てて、女性達の行動を見守った。


 女性達は荷台で寝ていた仲間の上半身を起こし上げると、ペットボトルの蓋を器用に開け、口から水がこぼれないように、少しずつ飲ませ始めていた。


 寝ていた女性に何かを言っている。多分だが励ましているのかも知れないな。


 ワシは煙管の灰を捨てると、煙管を掃除してから煙管ケースにしまうと、出発する為に重い腰をあげた。


「ふっー、またボチボチ行きますか」


 ワシは、そう言うと荷車を持ち上げると、ゆっくりと歩みだし、彼女達の行き先に向って進みだしていた。


 その日は森の近くで野宿になり、ワシは急いで野営の準備を始めだす。最初にする事は、焚き火に使う薪拾いからだ。人数が多いのだから、何時もより多めに薪を拾い集め、それから薪拾いの途中で探していた水場で水汲みを済ませる。


 キャンプ場所に戻ると、彼女達の集団で使っていた鍋を昼間の内に回収していたので、それを使い湯を沸かす。水の入った桶にお湯を移し、彼女達に手渡してから、ワシは夕食の準備に取り掛かった。


 痛む食材を最初に消費するのは、キャンプ場に向う途中で各自で買った材料だ。それを使い今晩は、薄めのクリームシチューを作る予定である。


 ニンジン。玉ねぎ・ジャガイモ・鳥の胸肉・それとオートミールと隠し味にゴマ油を少々と粉末の鶏ガラスープの素を少々加える。


 作り方は人それぞれで違うが、ワシの作りはと言うと、鶏肉を小型のフライパンで炒めている間に、水を1200mlで野菜を茹でる。鶏肉を炒め終わったら鍋に投入して煮詰める。その間に味付けをする。シチューが完成したらオートミールと隠し味の投入をして完成と言う具合になるのがワシ流のオートミールシチューである。


 味は言わずもがな、初めて食べた人間は顰めっ面しかめっつらになること間違いなしであった。だが、食べなれると中々癖になる味でもあるのだが、オートミールを慣れるまで食べ続ける人間は少ない。


 それでもワシはメタボを解消する為に、ここ一年以上はオートミール料理を毎日食している。そのおかげかなのか、三キロ痩せたのだが、誤差の範囲と言えば誤差の範囲なのかも知れない。


 女性達に料理が出来たと、身振り手振りで知らせ、各自の持ち物であった皿を受け取り、鍋からシチューをよそっていく。


 全員にシチューが配られたので、ワシは食べ始めたのだが、女性達の何人かは何故か匙が進まなかった。


 隠し味のゴマ油と鳥ガラスープの素でも、味を誤魔化せないのなら、黒胡椒でもふりかけるしか道はのこされてはいない。

 

 ワシは、食が進んでいない女性の皿に、ペッパーミルを使い黒胡椒を挽いてあげると、女性達も黒胡椒が掛かったシチューなら、大分ましなのか食が少しだけ進んでいた。


 日の沈まぬ内に夕食を済ませると、皿や匙やコップを水場に持っていくと洗いだしていた。一回で洗い物が終わらないので数回、水場とキャンプ場を往復する羽目になってしまうが、そこは慣れているのでご愛嬌である。


 そして、後は寝るだけなので、交代で見張りをしながら就寝を開始し始める。


 最初はワシから見張り番をして、体力が残っている者だけでの見張り番をするとジェスチャーをして知らせておく。彼女達は頷くのだが、本当に伝わっているのかが不安だったので、ワシの後の者達を少し見張る事にした。




~*~*~*~




 彼女達の少ない手荷物から、毛布を取り出すと二人一組になり、荷台の上や焚き火の側で寝始める。


 ワシは少し離れた場所で焚き火をして、ワシが動き回っても寝てる者達の邪魔にならない様にしている。


 ワシの見張る時間は、十七時から二十四時までだ。体力が落ちている者達は二時間も見張りをしてくれれば、終わる頃には朝になっている計算だった。 


 ワシが見張りの時間が終わったので、次の者を起こそうと近づくと、何やら芳純ほうじゅんな香りが彼女達の周りからしていた。ワシは若い子は良い臭いがするなと思いながら見張り番の女性を起こしはじめた。


 起こした女性の股間がそそり立ち、腰布から肉棒が飛び出してしまう。


 女性は、まだ寝ぼけているのか、股間の肉棒がイキリ立っている事に気が付いておらずに、そのまま目をこすり目を覚まそうと必死であった。ワシは自分の目を疑ってしまい、目の錯覚を無くそうと目を擦っている。


 ワシは自分の目を何度も擦るが、彼女の股間からは立派な肉棒が今でも飛び出したままの状態である。もう一人の女性も起きて来たと思ったら、その女性の股間からもイキリ立った肉棒が飛び出している。


 彼女達の服装は、上はベージュのブラウスで、下は巻きスカートぽい物で腰を巻いている状態だった。そのスカートは前が直ぐにはだける使用になっており、彼女達の肉棒もはだけたスカートから飛び出していたのだ。


 ワシは、二人の肉棒を見ない様にしながら顔を背け、自分の焚き火まで戻ったのだが、二人の肉棒が気になり少しだけ二人の動向を探り出していた。


  何故、あの二人の股間に男性の象徴があったのか、それがワシには分からなかったからだ。


 自分のテントの中に入ると、ワシはバードウォッチをする為に持って来ていたナイトビジョン 暗視スコープ 赤外線望遠鏡をリッックの中に入れていた専用ケースから取り出すと、急いで望遠鏡で二人の観察をはじめた。


 最初は二人は、焚き木を挟んで話していたのだが、一人が急に立ち上がり、もう一人の横に行ったと思うや、座っている女性の顔に股間を押し付けだしている。


 座っている女性も嫌々でない様で、自らの頭を動かして立っている女性の股間に顔を前後させていた。次第に二人の興奮は最高潮に迎えたのか、立っていた者が地面に仰向けに寝そべると、座っていた女性が寝そべった者の股間に顔を向けて、お尻は相手の顔に押し当てだしている。


 ワシは、この時ばかりは望遠鏡を買って正解だったと自分自身を褒めてやる。本来は決して犯罪行為に使っては行けないのだが、ワシは見知らぬ土地に飛ばされて来ており、自分の身体を守らなければ誰も守ってはくれないのだから、当たり前と言えば当たり前の行動である。


 もしも、助けた相手が化け物であったならば、自分の命はないのだから……


 ワシは二人を監視していたが、二人はワシが監視している事など露知らずに、お互いの肉棒を舐めあっている二つ巴の状態だ。若い子達の使う言葉で言う所の、シックスナインって言葉だろう。


 ワシは見てしまった。


 寝そべっている女性が両手で、二つの穴を攻め立てる様をしかと。


 ワシは訳が解らなかった。女性の穴が二つあり、尚且つ肉棒まであるのだ。定年間じかなワシだが、こんな経験は生まれて初めてである。


 そんな事を考えているワシを置き去りに、二人の行為は最高潮を迎えており、二人は乱れ牡丹になり入れてる場所は、菊の御門の方であった。前には寝そべっている女性の指が入り、両穴攻めをして絶頂させようとしていた。


 そして、二人は肉棒からお互いにミルクを飛び散らしながら果て、余韻を楽しんでいた。


 此処まで見守れば大丈夫だろうと判断したワシは、高価な望遠鏡をケースにしまうとシュラフの中に潜って就寝した。 

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