やっと話せるようになったこと
@Mirai_no_yume
第1話 あの日
私は高校卒業後、バンドで夢を叶えるために地方から上京しました。
東京での一人暮らしも4年目を迎え、生活にも慣れてやっと夢に向かう道筋が立ってきた頃、突然それは訪れました。
強烈な孤独感。
誰といても寂しい。
まるで今まで生きてきた世界が変わってしまったような。
それが起こる前、いくつかの出来事がありました。
一緒に夢を追って上京したメンバー2人がバンドをやめて地方に帰ることになり、実質上バンドは解散。
アルバイト先での突然の解雇。
アルバイトで生活していた私は、すぐに新しいバイト先を見付けました。
でも何かが違う。
そう。バンドを解散した今、何の為に東京でアルバイトをしているのか。
私はバンドのリーダーとして、私のわがままについてきてくれたメンバーに責任を感じていました。
もし上手くいかなかった時、彼らは将来私についてきたことを後悔しないだろうか。
社会経験を積んだ今なら、リーダーがこんな気持ちではダメなことはよくわかります。
ただ、当時の私はそんな考えに至ることは出来なかった。
東京にのまれ、自分が小さく見え、自信は揺らぎ、夢を見失いつつあった。
メンバーが地方に帰ると言い出したのは当然の結果だったのかもしれません。
中学生の頃から抱いてた夢は幻のように無くなってしまった。バンド解散とともに情熱の炎は完全に消えてしまった。
アルバイトを解雇され、新しい環境に置かれた時、暗にそれを自覚した寂しさだったのかもしれません。今までの自分が終わったと。
そして、この寂しさの暗闇を歩く地獄の日々が始まります。
この時、私は鬱病という病気があることを知リませんでした。
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