裏方から表舞台へ~所属Vtuberを裏から支え見守って居たおっさん戯れにより表舞台へ~

カムイ

裏方からの卒業

どうしてこうなった!

きっかけはとても些細な一言だった。

それは自分が所属している会社の第4期生を迎えるオーディションの告知放送での事だった。


「皆様こんばんわ。アルヴィオン広報担当ではありませんが何故か広報もしているツチノコでございます。」


コメント

・ツチノコさんこんばんわー!

・こんばんー

・何で広報担当じゃないツチノコが広報放送してんだ・・・

・ツチノコが出たぞ!捕まえろ!


自分の名前はツチノコ。もちろん本名ではないHNだ、本名は【神音 律(かみね りつ)】である。

本来は所属Vtuberの総合スケジューラーでありマネージャー統括である。


「では第4回Vtuberの募集配信を開始いたします。なおこの放送はあくまでの募集告知をするのみであり募集概要等は当社HPにて確認をお願いいたします。アドレスは放送概要欄に掲載しておりますのでご確認をお願いいたします。」


コメント

・3期生までが安定して放送とか出来るようになったから4期生募集かー

・私応募してみようかなぁ・・・

・自分はまだ自信が無いから見てる側でいいわ


「とまぁ言いたい事はこれだけでなんで俺がこんなことやってんですかねぇ・・・。普通は広報担当とかその辺がやる事でしょこれ・・・。」


コメント

・確かに

・ツチノコさん便利屋過ぎん?

・1期や2期のVtuberは居なかったんです?

・まさか社長の戯れ・・・


「いや確かに1期や2期の子らに任せたり社長がやっても良いじゃないかこれ。3期の子はまだこう言う配信には慣れて無いからしょうがないけどもよりによってなんで俺なんだよ。」

ではなぜ自分がこんな広報までやっているかと言うと・・・。

「社長の戯れなんだよなぁ・・・。」


コメント

・草

・えぇ・・・

・ドウシテ・・・ドウシテ・・・

・社:だって面白そうじゃない?

・出た社長!

・戯れ社長!?



「社長が配信見てるようなVtuber会社でよければどしどし応募お待ちしております。っとそろそろ30分は経つか。告知のみだと大体これぐらいしか経たないかぁ・・・もうちょっと何かするかぁ。」


コメント

・やったぜ!

・やったわぁ!

・ツチノコさんのマロでも読む?

・マロ読んでくれると助かる

・私も今からマロ投げよう・・・


「社長そういう事なんで構いません?」

募集告知配信を見るのをやめて所属Vtuberの配信を見に行ったのかDicordで連絡が来た。

「好きなだけどうぞやってだそうだ。本当あの社長・・・!」


コメント

・戯れ社長さすがやな・・・

・社長が面白すぎる

・でもそんな社長だから所属してるVも居るんだろうなぁ

・確かに

・確かに


「と言うわけだから適当に消化してイクゾー。まずは1個目。」

【現在所属してるVtuberの人数と男女比率を教えてください( 'ω')】

「いやこれアルヴィオンのHP見りゃわかるだろ何でマロに投げてんだ・・・。」


コメント

・草

・自分で確認しなさいw

・↑の通りなんだよなぁ・・・

・禿同


「まぁそういう事だマロ投げた人は自分で確認してくれ。次イクゾー。」

【ツチノコさんはVtuberとして活動しないんですか?私気になります。】


コメント

・確かにツチノコさん良い声してるのに何で後方なの?

・ツチノコが2Dになって動くとこ見たい

・そもなんでツチノコ着ぐるみ着てるのん・・・

・ハルト:本当何でしないんですか?

・ハルトくん!?

・あーハルトくんさっき配信終わってたからこっちに来たんだな


「Vtuberとしては活動する気はないんだよなぁ。そもそも何でツチノコかってこういう告知配信とかしないからだぞ?滅多に見れないって事でツチノコなんだわ、ちなみにこれ着てるのは昔作ったアイコンのキャラな?」

そう言いながら適当にマロ消化を進めていると突然画面隅に出しておいたDicordに通知アイコンが出た。


「・・・・・・は?ちょっと待て社長?はぁ・・・!?」


コメント

・?

・なんぞなんぞ?

・ハルト:あーこれは・・・

・アルト:ツチノコ先輩・・・ご愁傷様です・・・

・ハルトくんの反応見るとまた社長が何かやったかな?

・アルト姐さんまで来た!?

・アルト姐さんさっきまで放送してたのに終わらせてこっちに来たな


「何か社長が『ツチノコの中の子の画像を絵師さんとモデラーさんに渡してどういう事か説明したら「近日中に書き上げて2Dモデル仕上げます!」って快く引き受けてくれたよ!やったねツチノコさん!』じゃねぇんだよ!なんでだよ!やめろよ!」

本当どういうことなの!?絵師さんとモデラーさん何考えてんの?!他の仕事頑張って!?


コメント

・やったぜ!

・やったあああああああ!

・社長ありがとう・・・ありがとう・・・

・この優しいイケボが定期的に聞ける助かる

・アルト:これで先輩とコラボが出来る・・・?!

・ハルト:ちょっと配信スケジュール確認してくる

・すでにコラボ計画してる姉弟がおるな?

・おっちゃんとコラボ配信が出来ると聞いてにゃ

・ん?今なんか猫居なかったか?

・気のせいにゃ

・んん?


「っとそろそろいい時間だな・・・配信終わるぞー!」


コメント

・おつー

・おつノコー

・ハルト:お疲れ様です

・アルト:お・・・お疲れ様です・・・

・おつかれにゃ

・おつよーやっぱり猫がおるな?


そんな出来事もあったが無事(?)告知配信も終わり社長やリスナーには楽しみな時間が自分にとっては地獄のカウントダウンが始まった。

「本当・・・どうするんだよこれ・・・。」

俺は社内にある配信用のスペースで頭を抱えた。

「まぁ・・・決まった事はしょうがない腹ぁ括るかぁ」

遠い目をしつつ帰宅するのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る