第2話 明治の観念
女性天皇の誕生には一定の賛成が得られているが、女系天皇誕生には 根深い反対意見が存在している。
女系天皇が忌避される理由は、何と言っても 未だ一度もそういった天皇が誕生していないとされていることが大きいだろう。この国は"万世一系"の天皇を1つの柱として歴史が紡がれていた。
翻って、女性天皇について言えば 江戸時代までは認めれられていたものが 何故 「明治」になって法律により認められなくなったかというと、一つには 男尊女卑があっただろう。他にも、皇室維持のために男性天皇であれば側室を迎えて子をなせばいいという考えがあったであろうし、女性天皇を立てると男性の皇配が面倒くさいことをやりかねないという懸念もあった。
前者について言えば、実際 大正天皇(第123代)は側室の子であるし、また 後者について言えば、皇后にも面倒な人物や親戚はいなくもないが、やはり そこは男性の腕力や家庭的な地位(家父長制)などの問題が存在した。そして、女性天皇の存在が認められなかったことから、明治以降においても、当然のことながら 女系天皇は認められてはいなかった。
しかしながら、大正天皇以降 公式に側室は置かれてはいなかった。また 先人たちの努力によって、以前より はるかに男尊女卑の気風は解消されつつある。いつまでも 明治に作られた観念に縛られ続ける必要はないというのは、ごくごく真っ当な意見だった。
※側室いないと そもそも成り立たないよね、って話はある。徳川将軍家で正室から生まれた将軍は、家光くらい。慶喜を将軍家と数えていいのかって気もするし。
1人の女性にプレッシャーかけ過ぎるのは、その人が不幸になるよねって話は同感。
秋篠宮家の悠仁様の誕生には、その辺で現上皇陛下が今上陛下にプレッシャーをかけ、当時 東宮だった今上陛下が"人格否定発言"という形で それ(だけじゃないけど)に反発して、平成の天皇が 弟の宮の方に子供を期待したとかそういう流れがある。
歴代天皇のうち、半数以上が側室の子で、ここ 400年では4名しか正室の子はいない。そのうち3名は昭和天皇と現 上皇陛下と今上陛下。前提が揺らいでいるとか、変化しているのは間違いない。
(側室を認めるかどうかは、不平等条約改正という外交問題とも関連していた。)
ちなみに、旧皇室典範では 皇族の子を全て皇族とする"永世皇族主義"を採用することによって皇族男子の確保を図っている。それまでは、天皇の玄孫(四世)までしか 皇族として扱われていなかった。
あり? これ、現行でも採用されているみたいだから、結局 GHQが宮家を縮小したのが不味いのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます