妄想協奏曲!僕は男なの?女なの?
兎緑夕季
プロローグ
あの人の遠くを見つめたような瞳に私を映してほしい。
でも、あの人に認識されたら緊張で死んでしまうわ。
もどかしい…。
せめてあの人の一部にでも触れられたら…。
ああ。この綺麗な指先で撫でられるだけで幸せだわ。
白くてしなやかな、それでいて…。
力強さも感じるそれが軽やかに私を伝っていく。
冷たい感触。この時間が永遠に続けばいいのに…。
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