結
とまあ、こんなことが、この渡しで起こったのですよ。坊や、まだ飛び出さないでくれよ。貝で足を切るといけない。もうすぐ岸に着くから。おふたりとも、あとちょっとの辛抱ですよ。
え?なぜ、たいそう儲けたはずの私が、ぼろを着て船頭やってるのかって?例の巾着のことなら、落としちまったんですよ。あの似非陰陽師がはねかした水しぶきにすくみあがった拍子にね。
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