第6話

 と、はりきってチャリを飛ばしてじいじの家に向かった、土曜日。

 僕は絶叫した。


「ええーっ!」

「うるさいぞー、シュータ」


 じいじに注意されたけど、しょうがないじゃないか。

 僕が隠し場所だとにらんだアリスの絵の下の棚に、ゲームはなかったんだから!


 それどころかお母さんが書いた、

『三ツ山のJを守っている。左向け左!』

 というメッセージが入っていたから、僕はがく然とする。


 なんだよもう、また謎をといて探せってこと⁉ 

 つきあってられないよ!


 僕は廊下のパター練習場をひょいとまたいで、リビングに走っていった。


「ねえ、じいじー。前にお母さんが何か隠しにきたでしょ。どこにあるか知らない?」

「知ってるけど、教えられんなあ」


 じいじはお茶を飲みながらニヤッとした。お母さんが口止めしてるんだな!


「うう~お母さんめ」


 僕はメモを持ったままググッと奥歯をかみしめる。

 だまされたようで悔しい。


 でも、このまま手ぶらで帰ったんじゃ、お母さんが勝ち誇ったように笑うだけだ。

 それはもっと悔しい。

 絶対見つけ出してやる!

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