【巻六三  評】非篤論也

孫盛曰:夫玄覽未然,逆鑒來事,雖裨竈、梓慎其猶病諸,況術之下此者乎?吳史書達知東南當有王氣,故輕舉濟江。魏承漢緒,受命中畿,達不能豫覩兆萌,而流竄吳越。又不知吝術之鄙,見薄於時,安在其能逆覩天道而審帝王之符瑞哉?昔聖王觀天地之文,以畫八卦之象,故亹亹成於蓍策,變化形乎六爻,是以三易雖殊,卦繇理一,安有迴轉一籌,可以鉤深測隱,意對逆占,而能遂知來物者乎?流俗好異,妄設神奇,不幸之中,仲尼所棄,是以君子志其大者 ,無所取諸。


臣松之以為

盛云「 君子志其大者,無所取諸」,故評家之旨,非新聲也。其餘所譏,則皆為非理。自中原酷亂,至于建安,數十年閒,生民殆盡,比至小康,皆百死之餘耳。江左雖有兵革,不能如中國之甚也,焉知達不算其安危,知禍有多少,利在東南,以全其身乎?而責不知魏氏將興,流播吳越,在京房之籌,猶不能自免刑戮,況達但以祕術見薄,在悔吝之間乎!古之道術,蓋非一方,探賾之功,豈惟六爻,苟得其要,則可以易而知之矣,迴轉一籌,胡足怪哉?達之推算,窮其要妙以知幽測隱,何愧于古!而以裨、梓限之,


(漢籍電子文献資料庫三國志 1426頁 ちくま8-083 批判)



○解説

 63巻はで活躍した占術師、吳範ごはん劉惇りゅうとん趙達ちょうたつを紹介します。この巻の陳寿ちんじゅ評において「彼らはすごいけどもう少し地に足着けようや」と語られ、これに関して孫盛そんせいさんがやけに分厚い注釈を決めます。曰く、趙達はぜんぜん先見の明がねー! が盛んになったってのに魏を捨てて長江ちょうこうを渡っちゃうとかもうあれだし、しかも呉の地でも自分の腕前をケチってたし! ほんとにもう、君子ならこんなやつのデタラメな占いもどきに騙されたりなんかしないよね!

 あー分かってねえ分かってねえ、裴松之はいしょうし先生、肩をすくめます。

 魏が盛んとかいったって中原なんてボコボコに人死にまくってるし、そいしたら江南こうなんのほうが比較的平和に決まってんだろ! っつーかどうして魏が盛んになるなんてこと予見できんだよ、かんの時代の名占い師である京房けいぼうだって自分の将来見越せないくらい、身の安危なんてもんは見通しきれねえんだよ! 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る