第131話 豊穣神の大釜
「4種の神器って知ってるよね」
「まったく知らない」
は? と呆れたような表情をセタントくんが浮かべるのが目に入るけど…………
だって知らないんだもん。知らないものはしょうがないじゃない。
「ん--、非常識なイズモに訊いたのが間違っていたかー。
では、セタントくん、どうでしょう?」
グラシュティグさんが司会者のように話を進める。
「もちろん知っている。
4種の神器と言えば。
子供でも知っている。
だけど、どこまで実在しているかは怪しいね。
金髪の美少年はすらすらと答える。ほへー、詳しいな。それって本当に常識だったりするの。俺ってば、この世界の常識を大分覚えつつあると思うんだけど…………まだまだ知らない事多いな。
「さすがー、読書好き美少年。
色々知ってるね、僕もそこまでは知らなかったよ」
グラシュティグさんも言う。
「それで、4種の神器が何だって言うの?」
セタントくんは少し苛立ったように言う。テレ隠しでは無くて。
セタントくんとバズブが一緒に生きるには……常にセタントくんが病死の危険に晒されると言う問題があって。その問題をなんとか出来るかもしれない。そうグラシュティグさんが言った。その解決法を早く知りたがっているのである。
「うん、
子供に教えるには、いくらでも食べ物が出て来て尽きる事が無い釜、なんていわれる。
だけど実際には大量の
そこに蓄えられた
いくらでも
その一方、逆の話もあって、いくらでも
「その話は読んだことがある。
どこで読んだかまでは覚えていないけれど…………
周囲の
「そういうことー。
バズブちゃん、世界に
ならば、バズブちゃんの近くの
あの日から世界に
ゆえに、
「……そんな風に上手く行くのか?」
グラシュティグさんの話自体は理解できたが、実際に可能なのかは俺には分からない。
バズヴさんが答える。
「……可能化も知れないわ…………
空気中の
全ての
「それが……あるなら。
僕とバズブが一緒にいることが出来る。
そう思って良いんだね?」
「……かもしれない」
セタントくんが訊ねて、バズブさんは思案気に頷く。
「ならば良し。
で、グラシュティグさん。
その
俺は訊ねる。バズブさん本人が言うのなら、間違いは無いだろう。
「そんなの知らないよー」
何だよ?!
「心あたりがあるから、言い出したんじゃないのか?」
「ううん、全く知らない」
「なら、なんで言ったんだ?」
「僕は方法があるかも、と言っただけだよ。
僕だって知らないよ」
ええい。
「だからさ。
イズモたちが探せばいーじゃない。
だってフェルガっちが王様を追い落として、この国の最高権力者になったんでしょ。
権力の使いどころだよ。
国中に求めなよ。
そう
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ぎゃぁはあ。
われに何の用だ?」
「4種の神器だと…………
何故そんなものを
ぎゃぎゃはぁっ
人間どもを争わすのに必要だと。
ふむ、知らんな。
人間どもが噂してるのは耳に挟んだがな。
ヒトの言う事など信じられるモノカ!」
「くくくぎゃはぁっ!
キサマらももともとはワレの敵よ。
教えられるモノカ!
それこそ、このワレが探し求めるモノ。
この赤きたてがみのマッハがもっとも求めるモノだと!
ぎゃははははっはぁああっ
姉さま、モーリガンの姉さま。
待っていてください。
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