5月17日

ゲームのフレンドと喧嘩をした。


元々若干ノリが合わないと感じていたフレンドだったが、それでも複数の共通フレを持ち、そこそこ長くやってきた仲だった。

普段なら嫌な思いをしても「そういうフレだから」と軽くあしらっていただろう。だが何故か、今日は許せなかった。

喧嘩の原因はアプリ内のフレンド間での交換でのみ増える特殊な通貨を巡っての話だ。

私はこの特殊通貨を、感謝の気持ちや大好きの気持ちを込めて送っているつもりだ。だが一部フレンドとは、じゃれ合いの意味も込めて意味もなく差し出したりもして遊んだ事もある。だが今回のフレンドはそういうおふざけで差し出した事は無かった。常に感謝と大好きを込めていた。だがもちろん相手も受け取らない時もある。


「それ沢山あるから大丈夫」

「気持ちだけ貰う」

「自分も助けられてるからおあいこ」

「その通貨の代わりにハグをしよう」


これらは理解出来る断り文句だ。正直恒常のアイテムを交換し終わると、季節のイベントの時の交換以外消費の機会がなくなり、古参勢たちは持て余し気味だ。だからそう言って断られたなら、理解できるし気持ちだけでも届いたと思える。



無言でワープゲートの方に押し出す

無言でハグエモを出し誤魔化す

感謝、祝いの気持ちと伝えたらそれを嫌な言葉と共に笑う


これらをされたらどうだろうか。感謝や大好き。今回の場合祝いの気持ちだったのだが、それらをないがしろに、大切な思いをドブに捨てられたかのような気持ちになるでは無いか。


きっと相手もじゃれ合いやふざけ合いだと思ってその行為をするのだろう。だが私は本気の時、最後に「これは本気の〇〇です」と伝える。もし現実世界ならば目を見て言うようなそういう心持ちで伝える。ネット上では相手の目を見て本気度を伝えるという事が出来ない。だがこういうやり取りをする相手はほぼ日本人のタメ同士で語り合う仲なので、敬語に戻して本気度を伝える。


それでも今回のフレンドは「それ」を茶化し、誤魔化そうとした。


人の気持ちを素直に受け取れないなんて、なんて寂しい人間だろうか。


そう思うと一気に心が冷える。

さっきまで本気で祝いの気持ちを伝えたかったのに、その気持ちがすっかり冷める。それどころか、こんな寂しい人間とフレンドだったのかと、冷めては行けない所まで冷めてしまうのだ。


特に最初に書いた通り、今回喧嘩したフレンドは、元々ふざけ合いのノリが合わない人だと感じていた故に、更に冷めてしまった。


だが一年以上過ごしたフレンドだ。こんなちっぽけな理由で関係を無かったことになどしたくない。相手も反省したかどうか分からないが謝っている事だし、怒ったことを素直に謝り、その場で仲直りしてしまえばいいのに。


だが一度冷めた気持ちはすぐには戻らない。

瞬間的な思考が苦手な私は、こういう時1人になってじっくり考えたいのだ。

だから今回は気持ちはわかったから1人にさせてと伝えた。


私は忘れっぽい。

こうして気持ちの整理の文を書いている途中でも、どんな嫌なことを言われたか忘れてしまっている。都合のいい脳みそだ。


今なら、こっちもごめんと言える気がする。だが相手がINしてるか、そもそもブロックされていないか。もしされていたら、わだかまりを抱えたまま過ごす事になるだろう。


私の気持ちの整理は着いた。喧嘩したフレンドに会うためにもゲームに戻る。

お互いもやもやを残さないために。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る