イケメン妹に「好感度マイナス15の兄」と言われた俺だけど、美少女にはモテるようで……。
悠/陽波ゆうい
第一章
プロローグ 好感度マイナス15の兄、誕生
俺、
そんな俺には一つ下にイケメンな妹がいる。妹は俺と違って、勉強もスポーツもよくできる。
そしてなにより容姿がカッコいい。
血が繋がっているにも関わらず、男の俺より美形で、イケメン。異性や女子からモテモテ。
凡人な兄とイケメンな妹。
月とスッポンである。
だがしかし、こんな俺でも好感度さえよければこれからもなんとか生きていける。
学校では積極的に行動したりと、顔、運動、勉強が普通な部分をなんとかカバーできる要素を身につけた……はず。
家では、家事も料理も頑張っているしイケメンな妹が輝くようにサポートしてきたつもりだ。
そんなある日、妹に聞いてみた。
「……お兄ちゃんの好感度?」
「ああ、俺の好感度だ」
ソファでくつろいでいた妹にそう聞く。
すぐさま、めんどくさいと舌打ち&ため息。
おいおい、あからさまに嫌いアピールされるとさすがのお兄ちゃんも泣くぞ。
幼い頃は「お兄ちゃん!」と言って体を預けてきた妹ももう中学1年生。兄離れや反抗期だろか俺に対して冷たい。というか嫌っている。
「……なに? 今、答えないとダメなの?」
「うん」
だって気になるし。
それに身近な存在である妹の好感度が一番信用できるだろう。コイツなら忖度しないだろうし。
ため息をつき、めんどくさそうにする妹が考えること数秒。
「……ス15」
「え?」
………15?
15ということは……好感度15ってことか? あは、あはははは……。
「ま、まぁ所詮、俺なんか好感度15の男だよな……」
チクショォォォ!!
好感度60くらいはいけてると思ったのに!! やはり凡人が何をしようが凡人……好感度なんて上がらないのかっ!
「はぁ? 違うよ」
「え?」
妹が悲しむ俺を察してかそう言う。
もしや、もっと好感度があるのでは——
「好感度"マイナス"15」
「ん? マ、マイナス……?」
マイナスってその、好感度高いとかの問題じゃなくて……。
「マイナス15。分かる? お兄ちゃんは好感度マイナス15の兄」
「お、おう……」
冷たい視線と態度で言われると余計グザッとくるのだが……。
「それじゃもういいね。ボク、女の子たちからのLINE返すのに忙しいから」
妹から突き放され、俺はリビングから部屋に戻る。
「好感度マイナス15……俺は好感度マイナス15の兄なのか……」
そして年経ち、俺は高2。妹は高1となった。
あの日のことは忘れたことはない。
というか、忘れられるはずがなかった。
「好感度マイナス15の兄……ねぇ」
一体どの辺がマイナスポイントなのか、いつかは聞いてみたいところだ。
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