第47話 対決
翌日の放課後、図書室に七香といるとジーナがやって来た。
「こんにちはセンパイ!」ニッコリ微笑んだ。
ジーナは七香がいることを確認すると、持ってきたストローの刺さったアイスティーを目の前の机にそっと置いた。
七香をじっと見つめて片手をそっと出し指を広げた。
七香もジーナと向き合うとそっと片手をかざした。
アイスティーはジリジリと七香の方に動いた。
七香は気持ちを集中させてグッと手の指を広げた。
アイスティーはジリジリとジーナの方へ移動した。
今度はジーナが少し厳しい表情をして指に力を入れた。
またアイスティーは七香の方に移動し始めた。
七香は少し諦めたような顔をすると、目を閉じた。
その途端刺さっていたストローがピチッとつぶれグルグルとねじ曲がった。
ジーナは恐怖の表情になると「ストップ!!」そう言って両手を上げ肩で息をした。
「よ〜く解ったわ七香先輩、もう対決するのはやめましょう」ニッコリした。
「そうね、貴方も相当強いパワーを持ってるみたいね」七香もニッコリした。
「七香先輩と戦ったら私も無事には帰れないわね、このストローが私の脳の血管だと思ったらゾッとするわ」
「私も心臓が強烈に圧迫されたわ、凄いパワーなのね」
「しばらくは休戦協定を結びませんか?」ジーナは人懐っこい笑顔をした。
「そうね、その方が良いかもね」七香もホッとしたように言った。
「でも、旭先輩は誘惑しますよ」悪戯な目つきをした。
「それは難しいんじゃないかな」七香は少し笑った。
「そうですか?でも旭先輩とは既にパンツを見せ合った仲だし」上目遣いで俺を見た。
「えっ!そうなの?」七香は俺を見た。
「違うよ七香!ジーナが勝手にスカートを上げてパンツ見せただけだよ!」
「ほら、七香先輩は動揺してる」ジーナは笑った。
七香はかなり嫌そうな表情になった。
「七香先輩と戦うより旭先輩を奪う方が成功の確率が高いかも」ジーナはニッコリした。
「旭、帰りましょう」七香は俺を引っ張った。
「センパ〜イ!また明日ね」ジーナは手を振った。
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