第31話 ラブラブ
俺と絵美衣は最近更に仲良くなった。
幼馴染だが、もう彼女を恋人としか思えなくなっている。
学校から帰ると絵美衣はすぐにシャワーを浴びた。
金髪にとても綺麗な青い瞳、そして白い肌で豊かな胸と長く綺麗な足。息を呑むほど美人だ。
そんな絵美衣が毎日べっとり甘えてくる。
「絵美衣〜そんなに甘えたら俺は我慢出来なくなってしまうよ」
「いいよ、我慢しなくても」にっこり微笑んだ。
「だって………もし子供が出来たら、お婆ちゃんみたいになっちゃうかもしれないんでしょう?」
「えっ!!!」絵美衣は一瞬強い視線で俺を見た。
「いいの……お婆ちゃんになっても旭の子供が欲しいわ」絵美衣は優しく微笑んだ。
「俺は絵美衣と長く一緒に居たいからお婆ちゃんになるのは嫌だなあ」
「そうなの………でもすぐに子供が出来るわけじゃないし、もう恋人になってもいいんじゃない?」
「そうだね、幼馴染から恋人になるんだねえ」俺は嬉しくなって絵美衣に抱きついた。
俺はついに絵美衣と恋人になるのか………そう思うと嬉しいはずなんだが、なぜか心のどこかに不安がある事に気がついた。
なぜなんだろう?やはり絵美衣がお婆ちゃんみたいになる事が不安なんだろうと思った。
何だろう?このもやっとした不安は?
学校の休み時間に遥ちゃんが近づいてきた。
絵美衣は教室にいない。
「旭、七香ちゃんって覚えてる?」
「七香?…………何か懐かしい気がする………誰だっけ?」
「転校して行った子だから忘れちゃったかもね」
「いたっけ……そんな子?………でも何か懐かしい気がする」
「いいの、変なこと聞いてごめんね、忘れて」遥ちゃんは自分の席に戻って行った。
「七香ちゃんねえ……転校生か………思い出せないなあ………」独り言が漏れた。
絵美衣が戻って来た。
「ねえ、七香ちゃんって転校生覚えてる?」
「ええ!!!覚えて無いわよ」絵美衣は視線をそらした。
「だよねえ………」
「疲れてるんじゃない?熱はないの?」絵美衣は優しく俺の額に手を当てて微笑んだ。
俺は頭の中がモワッとして転校生のことはどうでも良くなった。
しかし心の奥の不安はなぜか無くならなかった。
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