第20話  不可解

「ねえ七香、俺分かんない事だらけだよ、『ラム』て何?」


「私たちヴァンパイアには『ラム」一族と『ラミア』一族がいるの、『ラミア』の人たちは私たちを根絶やしにしたいと思ってるの、だから出来るだけ『ラミア』の人たちと出会わないようにしてるわ」


「そうなんだ」


「それに俺の血はVX1の珍しいマイナス型だって言ってたけど………」


「普通の人にはVX1なんて血に含まれてないわ、それに私のお父さんはパワーの弱いヴァンパイアだからVX1のプラスなの、パワーの特別強いヴァンパイアだけがVX1のマイナスを持ってるのよ、旭はヴァンパイアじゃ無いのにVX1のマイナスを持ってるわ、突然変異かもしれない」


「え〜…………なんか気持ち悪い」俺は身体中が痒くなった。


「七香は俺がその変な血を持ってる事を知ってたんだ」


「うん、お父さんは大学院で血の研究をしていてたまたま旭の事を知ったみたい、旭のお父さんと同じ大学だったみたいよ」


「そうなんだ、だから俺の父親は七香を引き受けたんだね」


「多分………そうかも……」


「ヴァンパイアのパワーはミトコンドリアD N Aにしか受け継がれないの、だから女の人だけがずっと受け継ぐのよ、だから男はヴァンパイアと言ってもパワーは殆ど無いのよ、何百年に一度くらいでVX1のマイナスを持ったヴァンパイアが現れるらしいの、そのパワーは凄まじいらしいわ」


「へえ〜………映画の話みたい」


「旭は何でVX1のマイナスを持っってるんだろうね?」


「えっ!俺には全く分からないよ」


「もし、私と旭の子供が生まれたら、とんでもないパワーの子供が生まれるかもしれないわ」


「えっ?まじ…………」


「分からないわ、でも………何か起こりそうで怖い」


「それでHするのを怖がってたんだ」


「うん、もしパワーのある子を妊娠したら、全てのパワーを吸い取られて子供が生まれたら私はおばあちゃんみたいになっちゃうの」


「え〜!!!そんなの嫌だよう」


「だから私も怖いの」


「本当にどうなるかは分からないのよ、今までに前例のない事だから」


「う………なんか不気味…………」

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