―― 終末 ―― 粛正の天使

灰色に崩れた街の中で

降り止まぬ雨に撲たれながら

血に染まった翼抱きしめて

小さく震えて泣いた君


それは瞬く間の出来事

白い光に包まれた瞬間に

当たり前だと信じていた日々が終わりを告げて

脆く崩れて消える


僕の目の前に降り立った銀色の天使は

硝子のような心を持つ繊細な天使




鳴りやまぬ 破壊の雷鳴が

ただ遠く、ただ永久とわに 耳に残る

崩れ落ち 座り込み 空を仰ぐ

何故なのか 解らない 儘に……


「決して過去には戻れない

 どれだけ祈りを込めて願っていても

 浅ましき落とし子よ!ただ従い眠るがいい」と、

それが神の審判ことば


「人は沢山の命を壊しすぎるから」と

赤く涙を染めながら全てを壊した

硝子のような心を持つ粛清の天使は

「誰も殺めたくないのに………」と

泣き叫ぶ




僕の目の前に降り立った銀色の天使は

硝子のような心を持つ繊細な天使

「人は沢山の命を壊しすぎるから」と

赤く涙を染めながらひとを貫いた

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