第6話
職員室。
俺を案内してくれた先生は、内藤先生という特別クラスの担任だった。
他の先生方にも簡単に挨拶を済ませて教科書を受け取り、今は別棟の特別クラスに向かって歩いている。
「とにかく、中途入学の生徒は年齢もバラバラだし癖のある子達ばかりだから。ただみんな根はいい子たちなんだ」
「まぁ、なんとなく理解はしてます。仲良くするよう善処しますよ」
「そうかい? 頼むよ」
そう言って教室に入ると、男子生徒が三人と女子生徒が一人、つまらなそうに席についていた。
女子生徒がすっくと立ち上がり号令する。
「起立! 気を付け!」
一応まとまった動きで姿勢を正す生徒達。
「礼! 着席!」
どこか気だるげな動きだが、それほどバラバラというわけでもない。
クラスにまとまりがあるようには見えなかったが、何故か統一感もある。
不思議なクラスだな。
内藤先生が俺を連れて教壇に立つ。
「さて、先日みんなには話したが、今日からみんなと一緒に学ぶ轟沢斗真君だ。斗真君、自己紹介を」
「は、はい。轟沢斗真です。よろしく」
まず気弱そうな男子が立ち上がった。
「よろしく斗真くん。僕は
次に隣の体格のいい生徒。
「俺の名前は
そして小柄でちょっと目つきの悪い生徒。
「僕は
超ツンツンしてるけど、攻略本じゃあ確か男装女子だったか。主人公のライバルの一人で隠れヒロインだったよな。性格キツそー。
最後に胸の大きなウェーブ掛かった栗色のロングヘアの女生徒が立ち上がって胸を揺らしながら自己紹介してくれる。
「
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「さて、自己紹介も終わった所で、早速授業に入ろうか」
内藤先生が俺に柿崎の後ろの席を指して、俺はそれに従って席に着く。
すぐに柿崎が振り向いて話しかけてきた。
「お前、何の適正があるんだ!? やっぱ乗るなら特戦機だよな!?」
「コラ、柿崎くん。授業だよ?」
内藤先生にたしなめられて、ペロッと舌を出して前に向き直る。
ちょっと不安だったけど、良いクラスっぽくて安心した。
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