やりたい事も無くただ彷徨っていたら、魔王が勇者に討たれ放置されていた魔王城があったので、住み着こうと思います

猫のストーカー

第1話 最後の地で

「遂に世界の最果て、旧魔王領まで来てしまった…」


 腰にぶら下げている剣以外ボロボロの装備に身を包んだ男が、高い崖の上から座って旧魔王領を見下ろす。


 その景色は、決して良い景色とは言えなかった。

 勇魔大戦争により、そこら中の地面に大きなクレーターが出来ており、草木など1本も生えていない。ただ魔物がウロウロとしているだけの荒地だ。

 そして何も無い荒野に、ポツンと今にも崩れそうな魔王城が建っている。


「世界をあちこち巡れば何かしらやりたい事が見つかると思ったが、結局見つからなかったな。

…せっかくだし魔王城だけでも見てくか」


 男は立ち上がる。


「……さて、どうここから降りようか」


 男が立っているのは、縦横共に人が1人が何とか乗れる程のサイズの足場だった。


「魔物が多くて面倒くさくなったから適当に魔法を使ったのが不味かったなぁ。

 そのせいで魔力が足りなくて飛行魔法も使えないし、、絶望過ぎだろ」


 ここで普通の人ならここで1人寂しく死んで逝くのだろう。と悟るのであろう。


 だがこの男はそんなにヤワではなかった。


「よし、ワンチャン賭けて飛び降りるか」


 男にとって死の危機など日常茶飯事であった。

 そして男は……飛び降りた。

 キラキラと美しい光を発するポーションを咥えて。


「おおぉぉぉ!」


 どんどん落ちるスピードが上がる。

 そして…地面に叩きつけられる。


 地に亀裂が入り、砂埃が立ち上る。


 砂埃が晴れると、そこに男は居なかった。ただ、大きな穴が空いているだけだ。


「危ねー、地盤緩すぎだろ」


 穴から男が這い出てくる。


「エルフから貰ったポーション様々だな。さて、行くか」


 男は魔王城へと歩いて向かう。


 ◇


「おぉ、こう近くで見ると壮観だな」


 男は魔王城入り口の錆びた大きな門の前に立っていた。


「さて、問題はこの門が開くかどうかだ」


 男は扉を片手で押す。

 が、勿論開かない。次は両手で押す。


「よっこらしょ、どっこいしょ」


 まだまだ門は、開きません。

 男は少し回復した魔力でバフをかける。


「筋力増強っと、オラッ!」


 男が勢いをつけて押す。


「お?」


 門は、キングゴブリンの鳴き声の様な音を上げて開く。


「ひっろ。王都の王城より広いんじゃね?ボロボロだけど」


 男は1歩足を踏み入れる。

…すると、床が崩れ落ちた。


「ええぇぇぇ崩れるのは聞いてないってぇぇぇぇ」


 ◇


「はぁ、なんだぁ?まだトラップが残ってたのか?そんなはず無いんだけどな」


 男は魔法で光源を出し、光を確保する。


 普通トラップは、1度使われると消える消耗品のような物だ。だから勇者達が攻め入った魔王城に残っているのがおかしいのだ。


「まぁいいや、とりあえずこっちに道があるから進んでみるか」


 男が道なりに何の警戒もせずに進んでいく。

すると突然、ひらけた場所に出た。

 そして奥には、青く光る大きな水晶のような物が見える。


「なんだあれ」


 男は水晶に近づくと、水晶に手を触れる。


「…暖かい」


 水晶はほんのり暖かく、まるで生きているかの様だった。


《レベル、ステータス共に、アーティファクト・魔王城の獲得基準値突破を確認。

 新たな所有者として、マリウス・エルドラガーを登録します。

 そして、マリウス・エルドラガーの転職候補に魔王を追加します。》


 突然、男いや、マリウスの脳内に声が聞こえる。


「おわっ!ワールドコール!?てか魔王!?アーティファクト?!」


 ワールドコールとはアーティファクトや転職可能の職業等を獲得した時に流れる、神の声と言われている。

ほとんどの人は、生まれつき決まっている職業に着くことが多く、アーティファクトは、大変貴重なので、ワールドコールは、一生に1度聞ければ幸運と言われている。


「ステータス」


 マリウスがそう唱えると、目の前に半透明の板が現れる。


マリウス・エルドラガー 

職業 遊び人 Lv99+503


 体力 120/1567

 魔力 13/6853


 転職候補 魔王 上級魔法使い 剣豪 狂戦士 吟遊詩人 上級錬金術師 魔物使い 商人 大神官 鍛冶師 革細工師 炭鉱夫


 称号 オールラウンダー 世界を周りし者 世界最強の遊び人 過去に神童と呼ばれし者 村の落ちこぼれ


 アーティファクト 魔王城 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

自分、テスト期間でしか楽しく小説書けないっぽい。

勉強嫌すぎですね。





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