聖人

剣『お次は『聖人』について説明しましょう』

チ「これは何となくわかるんだにゃあ!」

剣『聖人は神様に選ばれるとなれます。だから神職に関係している者が成ることが多いです』

チ「思った通りだにゃあ! ……にゃあ? 何かおかしいんだにゃあ?」

剣『どうしたの?』

チ「神様に選ばれるんなら、神官の最高職の人が成れるはずだにゃあ? それなのに関係している程度なのは何故かにゃあ?」

剣『これは神様の『好み』と関係しています』

チ「にゃあ? 好みがあるのかにゃあ?」

剣『自分に忠誠を誓う部下よりも、自分にほど近い他人を可愛がる感覚に似てますね。やはり神様が選ぶので、必ずしも神官とは限らないんですよ』

チ「にゃあ? 例えばどんな人だにゃあ?」

剣『例えば、ニューガン皇国の国教であるラーラム神道の主神トスファは神の『友人』になった者を聖人に選びました。また、愛の女神とかになると奔放に遊びまくる女性を選ぶとか、完全に神様の好みで選ばれてしまうのが難点ですね』

チ「神様に気に入られるって、一番難しい気がするにゃあ!」

剣『そうですね。実際、この聖人はかなり数が少ない英雄ですが、一番強い英雄のタイプとも言えます』

チ「なぜかにゃあ?」

剣『神様が持つ能力を全部使えるからです。大概の神様は複数の能力を持ちますから、それらが全部使えるとなるとそれだけで恐ろしい能力です』

チ「怖い力だにゃ!」

剣『ただ、一方でその威力までは再現されない事が多いです』

チ「にゃあ? どういう意味かにゃ?」

剣『例えば、海の神ポセイドンはトライデントの一撃で大陸を吹っ飛ばすことが出来るし、破壊神シヴァは世界を破壊することが出来るだろ?』

チ「にゃあ! そんな神様の聖人が居たら大変だにゃあ!」

剣『実際にそこまでは出来ないってこと。そういった能力は攻撃力自体は凄いけど、神話通りの力なのかと言われるとそこまでではないってこと』

チ「一安心だにゃあ!」

剣『著作の中で一番わかりやすいのは女神キョーサの聖人であるスティだね』

チ「その女神キョーサとはどんな神様なのかにゃ?」

剣『女神キョーサは主神ファルストと全能の力を分け合った女神さまで、創造神より全知全能の力を分け与えられた際に、良妻賢母の神であるキョーサは『妻は夫に尽くすもので、そのような力はいりません』と答えたそうな』

チ「まさに良妻の鑑だにゃあ!」

剣『『ただ、この人が浮気をした時だけ使わせてもらえれば十分です』と答えたせいで、主神ファルストが浮気をした時だけ全知全能に成れるようになり、代わりに主神トスファは使えなくるという神話がある』

チ「オチが付いてたんだにゃあ!」

剣『主人公の英吾がハーレムを作ろうと奮闘しているんだが、女神キョーサの聖人であるスティはそれをすぐに看破して必ず防ぐというオチが生まれる。こんな感じで神様の力が使えるんだけど、必ずしも戦闘向きとは限らないのもこの能力の特徴だね』

チ「いわれてみれば、神様の大半は戦闘向きじゃないにゃあ!」


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