保健体育と古代文明
剣『それから、保健体育の授業として、政府公認のエロサイトを教えてもらったりもします』
チ「すっごいワードが出たんだにゃあ!」
剣『まあ、思春期の少年少女には下手に教えるよりも観た方が早いのと、頑張って教えんでも興味持って調べるからということで、自主学習に任せていますが一応、試験はあります』
チ「みんな満点取れそうな科目だにゃあ」
剣『実際満点が当たり前です。とは言え、これは学生の避妊、性病事情や、妊娠時の相談などの窓口も兼ねているので、その辺の問題への対処にも一役買っています』
チ「色々と大変だにゃあ」
剣『この辺は割と大事なことで、薬局の人はコンドームなどは割と学生でも売ったりするのと一緒ですね』
チ「明らかに法律に違反する気満々なのに売るのはダメだにゃあ!」
剣『でも売らん方がとんでもないことになると思わんか?』
チ「にゃ、にゃあ……」
剣『世の中には多少の問題は目を瞑らんと、とんでもない問題を引き起こすこともあるんだよ。そんなわけでこの辺はなあなあで終わっています』
チ「難しい問題だにゃあ」
剣『まあ、それぐらいはせんとね。それからもう一つ重要な点がある』
チ「何かにゃ?」
剣『古代文明についても学ぶんだけど、その前に今までの説明で一個だけ変な話が無いかい?』
チ「にゃあ? そんなものあったかにゃ?」
剣『ヒントはカタン人だ。混血が進んでいるって話したよね?』
チ「にゃあ? 別に混血が進むのはおかしくないんだにゃ?」
剣『もっと重要な事がある。ヒントはさっきの保健体育の授業だ』
チ「にゃあ? どういう意味かにゃ?」
剣『どうして子供が出来るのか? だね』
チ「にゃあ? することすれば出来るんだにゃあ?」
剣『じゃあ、チイに質問です。人間と猫がエッチしたら子供は出来るでしょうか?』
チ「???? 出来るわけがないんだにゃあ?」
剣『それがヒントです』
チ「……………………降参だにゃあ」
剣『答えは『何で生態系が違うはずの異星の人間と子供が作れるのか?』です』
チ「……………………にゃあ! よく考えたらおかしいんだにゃあ! 人間の姿をしていても違う種族から進化した人間の可能性があるんだにゃあ!」
剣『その通りです。子作りはあくまでも『猿から進化した人間』である必要があります。なのにカタン人……同じ炭素生命体ってだけで子供が作れるなら人は植物や虫とも子供は作れるはずですからね』
チ「しかも獣耳とかも居るんだにゃ! 同じ猿からの進化とは限らないんだにゃ!」
剣『そういうことです。実はこれには大きな理由があります』
チ「な、何かにゃ?」
剣『この世界では現在の宇宙人類は古代文明を同じくしているからです』
チ「にゃあ!? どういう意味かにゃ!?」
剣『そのまんまです。かつて、宇宙全体を覆うほどの人類が古代文明を作っていたんですよ。その人類が何らかの理由で滅んで、今の人類に繋がっているという説です』
チ「とんでもない浪漫が隠れていたんだにゃあ!」
剣『滅んだ原因は不明ですが、その影響でカタン人、ツリマ人は共に異星の同族とDNAが非常に近いんです。だから子供が作れるんです』
チ「にゃあ! 色んなロマンスが生まれそうだけど、なんでそう言うことがわかったのかにゃ?」
剣『一つは子供が出来ることに疑問に思った学者が調べたところ、10万年前までは同じ人類同士だったことがわかっています。そこで、古代文明がいつのものだったかがわかります』
チ「なるほどにゃあ」
剣『それから、もう一つ、面白い遺跡が各星系で見つかっているんです』
チ「何かにゃあ?」
剣『観光地遺跡です』
チ「??? 遺跡が観光地になるのは良くあることだにゃ?」
剣『違います。『観光地の遺跡』です』
チ「にゃあ? どういう意味かにゃ?」
剣『観光地が遺跡化してるんです。よく観光地で現地について観光案内があるでしょう?』
チ「にゃあ。よく冊子で置いてあったり、地図案内があるんだにゃ」
剣『それが丸ごと遺跡になってたんです』
チ「……………………にゃあ! そんなもんがどこにあったのかにゃ!?」
剣『人が住めない惑星です。月みたいなところですね』
チ「にゃ、にゃんでそんなところにそんなものが……………………」
剣『前の文明の人が観光していたのが一つと、人類がある程度大きくなるまで遺跡を壊されなかったからですね』
チ「どういうことかにゃ?」
剣『古代文明による遺跡は基本壊される物なんです。何故なら、全滅してるってことはそこに人が住んでいないですよね?』
チ「そうだにゃ」
剣『でも建物があるなら新しい人類に住まいとして使えますよね?』
チ「にゃ!? 確かに使えるんだにゃ!」
剣『仮にもう崩壊していたとしましょう』
チ「にゃあ」
剣『鉄筋が入ってるから鉄取れますよね? しかも鉄器をやっと使っていた人類が手にしたことが無いような高純度の鉄を使ってる鉄が。そんなもんを見つけた私達の先祖ならどうしますか?』
チ「勿論取りまくるにゃ! 全部取らないと損だにゃ!」
剣『人類の経済活動が遺跡を壊していくんですよ』
チ「なるほどにゃあ」
剣『ただ、人が住めない惑星は別です。さすがに惑星に行くのに一定の技術の積み重ねが無いと無理ですから。そういう所の観光地が遺跡として残っているんです』
チ「上手く逃れたんだにゃぁ」
剣『しかもそれだけではありません!』
チ「何かにゃ!?」
剣『その観光案内……実は百種類以上もあるんです!』
チ「????どういう意味かにゃ?」
剣『古代文明滅びる→新しい文明栄える→前の文明の遺跡を観光地にする→新しい文明も滅びる→次の文明が同じことをやる。この繰り返しが起きたんです!』
チ「……………………にゃあ! じゃあ、百種類以上も古代文明があったのかにゃ!」
剣『古くは恐竜時代からですね。恐竜時代自体が一億年ありますから、そこだけでも何十種類もの古代文明があったとされています』
チ「凄い数だにゃ!」
剣『そんなわけで、こういった古代文明もちょっとした浪漫が隠れてたりします』
チ「浪漫が溢れるんだにゃ!」
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