第2話 お金について

 脱資本主義と言葉にすれば分かりづらいですが、端的に言えば、お金に頼らない社会を作るという事です。


 それはどうすれば出来るかを考える前に、そもそも「お金」とは何なのか?ということに触れたいと思います。私たちは普段何かを手に入れる為にお金を使う。そうやって、私たちが生きる傍らには常にお金がある訳です。


 そうやって、当たり前の様に日常生活に溶け込んでいる「お金」を欲することはあっても、その存在について考えることは殆どないと思います。


 だから、誰も「お金」の存在意義を知らない。もちろん、「お金」が引き起こす様々な事態は知っている。しかし、お金は必要だからと言う理由でそれを気にすることはないし、それを問われることもないでしょう。


 表面上は、単なる交換手段であるということ。自分が欲しい何かと交換できる便利なモノ。そして、たくさんあればたくさん欲しいモノが手に入れられる。だけども、そのお金を得るのは結構大変だということでしょうか。


 しかし、その大変さが何をもたらせるかを考えることはありません。その大変さで自分がどんなに苦しめられようとも、その存在を否定することも排除することも出来ない。それはまるで神のようです。


 お金がもたらす結果からお金の正体を見ることが出来ると思います。何故なら、結果は嘘がつけないから・・・


 私たちはお金を手にするために働きます。つまり、お金は私たちを働かせる道具だという事です。そして、私たちがお金を得るために必死で働いた結果、何が起こるかと言えば、国家が栄えるのではないでしょうか?


 非常に分かりやすいと思います。資本主義とは、国民を働かせて国家を維持する仕組みだという結論が見えてくるでしょう。私たち国民は、未だに国家の奴隷として扱われていると言えるのです。


 憲法では主権者となっていますが、実際は奴隷に甘んじている。


 そして、お金のもう一つ役割に、他人に面倒を掛けた時に支払うという行為があります。お金で済ませるということです。もっと言えば、免罪符と言えるでしょう。


 貨幣経済がこの百年で膨大に膨らんだわけですが、それは我々人間社会にお金の数だけの免罪符が必要になったという事かもしれません。色んな人たちの自由や権利を奪う免罪符として、それに見合ったお金が増えたとも言える。


 言い換えれば、それだけ人間社会が荒んだという事です。それを感じる人は意外に多いのではないでしょうか。見かけが良くなっていることで気づかない人も多いとは思いますが。


 そして、もう一つ大きな結果があります。それは、人間がバカになっていったということです。お金で片を付けるという言葉がありますが、お金が持つ免罪符的な力が、色んな問題を治める力となっているのではないでしょうか?


 その結果、問題解決のために考えるという行動が出来なくなっている。


 それは、昨今の政策を見えても分かるでしょう。政府が自慢げにやっているのは、お金を配る事だけです。特に、新型コロナ以降は、その金額も国家予算を超える規模となっています。


 昔の政策にお金を配るものは生活保護くらいだったのではないかと。


 窮地に立たされても、それを乗り越える術を考え出せないので、もはやお金を配ることしか出来ないのです。そういう政府なら要らない。お金を配るだけなら誰でも出来るから。


 しかし、お金を配っても事態の解決は出来ないので状況は悪化の一途です。今やお金は、カンフル剤にもならない。単に痛みを止める頓服や麻痺させる麻薬と同じ価値しかないのではないでしょうか?


 そしてプライマリーバランスは崩壊し、国家の赤字は青天井。お金を発行できるので倒産はありませんが、何かの投資で生じる赤字ではないので、その赤字が未来を創ることはない。


 そして何より、どんなにお金を配っても状況は好転しないという恐ろしい結果だけが残る状況に陥っている。


 その結果から見えてくるのは、お金と言うモノは決して未来を築くモノではないということ。お金があれば未来が安泰になるのではないという事です。むしろ、お金しか使えない現実は未来にとってはとても危険な状態であるとなるでしょう。


 こうして、お金について色々検証することで見えてくる結論は一つです。


 このままでは日本人は危うい、いや、人類そのものも危ういということ。


 そして、それに立ち向かう方法はただ一つ。


 資本主義を捨てる。お金を捨てるという事ではないでしょうか?


 この結論をどう捉えるかは個々人で判断していただければ思います。私個人としては、そういう結論が出たので、これからそれに向けた対応を考えていこうと思います。

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