第13話 幼恋

朝一のバスに2人 街へ向かった

初めてだね こんなふうに

一緒に出かけるなんて

小さな肩が ぶつかりあうたび

うつむいた 声もでなかった


会社や学校へ向かう人たちが 見つめる

こんなに幼い男女が 恋をしているなんて

思いもせずに


灰色の駅に 人があふれてる

大きくなったら きっと迎えにいくよ

約束だよ

うなづいた私の手を 強く 強く

握りしめて 笑った


大きな手のぬくもり 年下なのにね

忘れない きっと待ってる 言えないまま

電車に乗った

動き出す 離れてく 君が遠くなる

もう届かないこの手を 振りながら

涙目で 笑った

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