第19話 ふたり

沢山の夢を

両手で支えていた

涙と一緒に こぼれ落ちないように

必死で支えていた


あせることばかりの毎日なのは

まだ 若すぎるから


時の速さと 風の冷たさの中で

寄り添いあう

都会まちにあふれ出す 人並みの片隅で

ふたり 寄り添いあうから


傷ついた胸を

両手で温めていた

一緒に泣いた夜も 凍えた頬を

痛めた 冬の夜も


うわごとみたいな 夢の続きを

消さないで 消さないで


比べられた体も 思いも夢も

寄り添いあう

小さなルールを 越えるためにいる

ふたり 寄り添いあうから

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