第11話 旅路

久しぶりに 同じ時刻の電車を待つ

目をひく白い制服さえ 切なくなるほど

慌ただしく流れる風の波 1人紛れて


あの頃 見えなかったこと見たくなった

四角い窓の向こう 小さく浮かんだ橋さえ

気づかずにいた景色

手の平の切符 見つめ直した


からっぽの定期入れから

取り出した 1枚だけの写真

はしゃいだ笑顔たちの中

ゆがんだ影が 重なって見えた

「自分を変えたい」

平凡な想い? 続く高い空



低いブルーのフェンス 薄暗い階段が見えた

懐かしい景色 最後にしよう 

今日から始めよう

静まる車内 白い天使たち 笑い声遠くなる


ゆっくり動き出す景色 

見送って また空を眺めた 

ここへ置いていこう 

大丈夫だよ 忘れてもいいよ

またここで会えたら 

誰よりも素敵な笑顔 見せるから

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