第2話

「わぁ!こんなに情報を集めてくれたの?ありがとう!」

 昼休みになり、田川君情報を紙に書いて手渡すと、嬉しそうに笑う亀ちゃんに抱き着き

「亀ちゃん!今日も、可愛い」

 と叫ぶと

「悪い、ちょっと良い?」

 と、亀ちゃんが座っている田川君の席に、田川君が後ろから現れて机に手を突っ込んだ。

 亀ちゃんが真っ赤になって椅子を後ろに引くと、田川君が机からお弁当箱を取り出した。

 お昼は私、亀ちゃん、安藤理恵ちゃん、大城夏美ちゃんの4人でご飯を食べていた。

 田川君はバスケ部なので、お昼は体育館で食べて昼練のようだった。

 するとチラリと私達を見ると

「俺の机、弁当で汚すなよ」

 と言い残し、笑いながら去って行った。

 すると亀ちゃんが

「どうしよう!私が田川君好きなのバレちゃったかな?話、聞かれてないよね!」

 って、アワアワしている。

 私が笑いながら

「大丈夫だよ!メモは折ってあるし、亀ちゃんは誰の情報か?なんて言って無いし」

 と答えると

「心配なら、明日は私がそっちの席に座るよ。暫くは、私等3人でローテすれば大丈夫」

 って微笑んだ。

 すると亀ちゃんはメモで口元を隠しながら

「でもね、この気持ちを知って欲しいような……。バレたく無いような気持ちなの。分かる?」

 そう言って、目をうるうるさせている。

(恋する乙女……カワユス!!)

 目元を押さえ、思わず天を見上げる。


 私にも、彼氏らしき人は居る。

 でも、彼と付き合っている事は学校ではナイショ。

 いつも男友達3人でつるんでいて、何故かホモ疑惑まである長塚重信君。

 彼が私の彼氏(?)である……筈。

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