アルオルミル
ヴェニスQ.!O
第0章 第0話
アルヴィガーラとオルトは同じ日に生まれた。
二人はウルク村に住んでいる村長の息子とその親友だ。
寝る時も、遊ぶ時も一緒で双子みたいな感じだ。
二人が5歳になったある日、二人の父親に連れられて
村の外に夕食となるうさぎを狩りに出かけた。
「お母さん、行ってきます!」
「脂ののった、うまそうなうさぎをとってくる!!!」
ウルク村はレガリア王国ライオネル辺境伯領の辺境にある人口100人以下の小さな村だ。
村の外は魔の森と呼ばれる、深い森林がある。奥に行けば行くほど、凶悪で、恐暴な魔物が多く住んでいると言われている。
人里に近づくにつれ魔物の強さは弱くなっていく。時々
そのため各国は、自国民の安全を守るため、時々魔の森に入り間引きを行っている。
うさぎを3羽、おまけで取れた鳥を1羽狩り、村に帰っている途中、村の方がとても明るい。
まるで、昼のような明るさだ。
アルは疑問に思い、
「お父さん、きょうは村でお祭りをやってるの?」
「父さんも何が起こっているのかわからない、もしかしたら、アルとオルトが初めて狩に行ったことのお祝いかもしれないな。とりあえず行ってみよう!」
アルたちは村に向かって走った。
村に近づくにつれ、肉の焼けた香ばしい匂いと木の焼けた匂い、血の匂いがしてきた。
村に着くと、村は焼滅していた。そして村の上空には、火によって映し出された、巨大な影…………
「なん...だよ...これ...」
「落ち込んでいる場合か!今は
「アル!オルト!お父さんたちが囮になって、時間を稼ぐから、お前らは絶対生き延びろ!街道の方は開けていてすぐに見つかってしまうだろうから、
「父ちゃんたちは?」
「大丈夫だ、俺たちがこの村で一番強いからな、任せとけ。お前らが逃げる時間ぐらい稼いでやるさ。」
「アル、オルトを頼んだぞ。」「じゃあまたあとでな!」
「行くぞ!マート」「おう!」
バルトとオルトの父親のマラトは村の主要道である方へ走り、矢の先に、火をつけるとそれを振り回し、二手に分かれると、
「よくも大事な村を潰してくれたな!このクソトカゲめ!」
「殺してやるから、こっちに来やがれ‼︎」
と怒り、口から火を吹き、殺そうとするが、喉に違和感を感じた。
「なんだ、あほトカゲだったのか。みんなの仇は俺たちで取れそうだな。こんなバカにやられるなんて、悔しかっただろうなぁ…………」
とてもプライドが高い。
それを最弱種の普人族にバカにされて、冷静にいられるはずがない。
「GeeeeaaA.!!.」
劣等飛竜は怒って父たちを追いかけるように飛んでいった。
「アル、父さんたち大丈夫だよな?」
「あの調子なら、逆に劣等飛竜を倒しそうだけどな。ほらお父さんたちが頑張っているあいだに逃げようぜ!
いくぞ!」
そして二人は父親達の無事を祈って、反対側に駆け出した。
走り始めて数刻……
「アル、街道というか、小道すらないぞ」
そう、二人は魔の森で迷ってしまったのだ。
すると、遠く後方で、何か大きいものが動いている音が聞こえる。
「ヤバくね?」
バサッバサッバサッバサッ
「この音もしかして……」
「劣等飛竜だ!」
その劣等飛竜の目は一つ焼けているのか潰れていて、
口から血流している。
「俺たちの村を襲った奴じゃねーか。父ちゃん達は死んじまったのか。」
「オルト、ごめん」
「なんだよ急に」
「おれ、じつは俺とお前は同じ日同じ刻に生まれたって言われてるけど本当は違うんだ。いやあってはいるけど」
「どっちだよ」
「とりあえず俺の方が半年年上なんだ!」
「そんなことかよ。なんか魔法が使えて、劣等飛竜倒せるかも!とかじゃないのかよ。」
「いや、魔法は使えるよ?オルトは使えないの?」
「は?」
「だから、おれは魔法が使えます。」
「使えねーよ!!!」
「え?嘘だろ?だって大人はみんな使ってたじゃねぇーか」
「大人は!だろ、子供の頃は使えねーの!」
「って事で、オルトよりも
でも一人も守れないから、先に行って街に助けてもらえ!まだウルク村からそんなに離れてないから、来た道戻って、村に着いたらそのまま、ほら、行ったことあるだろ、ギロンドの街だよ。そこでギルドの人に説明して助けを呼んでくれ! わかったな!」
「そうだ!お前に魔法を一つかけてやるよ。
身体強化魔法だ。【ブースト】」
「アル、本当に魔法使えるんだな、じゃねぇよ!
すぐに冒険者読んでくっから踏ん張ってろ!」
そういうとオルトは走っていった。
「さて、やりますか。トカゲサン?」
アルの目の前には
「夜で本当に助かった。」
怖いのか、ちょっと声を張って、自分を励ます。
「さぁ、みんなの仇、俺が狩る!」
「ちょいと、邪魔するぜ」
気の抜ける軽い声が後ろから聞こえてきた。
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