理解できない生き物

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 始めてそれを見た時、私は理解できないと思った。


 理解できる人間なんて、いないと思った。


 だってそれは、それくらい異常だった。


 とてもおかしかった。


 ありえなかった。


「どうしてそんなにおかしいのに、普通にしているの?」


 だから、黙っているのが我慢できなくて、それに問いかけた事があった。


 けれどやっぱり異常で、おかしくて、理解できないものだったから。


 予想通りそうなった。


「―――」


 耳を傾けてみたけど、少しだけ分かろうとしたけど。

 結局何を言っているのか、分からなかった。


 それじゃ、しょうがない。


 理解できないなら、排除するしかない。


 考えても無駄だし、考える時間が無駄だから。


 生き残らせた結果、余計な事で被害を被ってはたまらないから。


「全軍に、掃討任務を言い渡します」


 だから排除する事にした。


「掃討、完了しました」


「あれは一体、なんだったんだろう」


 その日、新しい地域で発見した生物……後にモンスターと呼ばれる生き物が、とある地域で消滅した。


 その時に手を下した者達は知らない。


 その後、長い間悲劇が起こり続ける事を知らない。


 それは、後に続くモンスターと人間の戦いのきっかけとなった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

理解できない生き物 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ