第235話 ダンジョン入り口へ

 俺は降下を始めるまでぐっすりだったのもあり、俺だけ倒れそうになった。

 降下すると立った状態で繭が霧散するので、俺は立ったまま寝ていた感じだ。


 俺以外はしっかり立っており俺だけ倒れかけておっとっと~!となった。


 しかし転けて無様な姿をさらさでか!

 シュワッチ!


 びゅーんと飛び、地面スレスレで飛びまして、何かが当たりました。


 誰かの脚にタックルする形になり、俺のお尻に顔が埋まる。


 ぷー・・・


 へーこきました。 

 だってね、お尻に強い刺激がある訳で、出ますよ。


「ちょっと何すんのよ!レディーの顔におならを掛けるなんて最低!何でこんなデリカシーのない人を好きになり抱かれたのかしら」


「抱いたのら2号で本体はまだだぞ!」


 お尻に痛みが走りました。

 噛みおった!


 暫くみっちゃんの叫び声が木霊するが、俺は痛みからのたうち回るように飛んでいた。


 しかし、下では皆がこういう。


「あの2人のボケとツッコミには癒やされるわ!」


 周りからは漫才の新ネタと思われている。

 ガチなのだが・・・


 暫くしてみっちゃんを上空で引っ剥がすとぽいっ!


 ギィーヤーアアアアー!と女の子が出しちゃいかん悲鳴を聞き、直前でお姫様抱っこでキャッチすると優雅に着地。


「よし、町は少し先か。さっさと行こうか!」


 プンスカのみっちゃんを他所に歩く事10分。

 町に入ると用意された馬車を受け取り目的の山に向かう。


 目的地は山の中腹にあるが、馬車で半日を要する。


 御者も用意され、護衛までいるからあまり下手を打てない。

 護衛は要らないよと言ったのだが、流石に俺の立場だと無理な話だった。


 久し振りに馬車での旅だ。

 これも悪くはない。

 護衛が先導しており、魔物も出ない。

 鬱蒼とした森の中の道を進み、時折休憩をする。

 久し振りの馬車はお尻が痛かったです。


 俺達は馬車の中でひたすら寝ていた。体力を温存する為だ。


 それでも夕方になり目的地に到着し、本日はここで野営だ。


 ダンジョンの入り口近くの森に無理やり平地を作る。


 上空から岩を落としてだ。

 岩をある程度並べ、馬車がギリギリ通れるスペースを作りドアを設置する。


 また、野営をする所に建物を2つ出す。

 かねてよりこの時のために作らせていた小屋だ。

 基礎も含め、それ用に作ってもらった。

 大体12畳位だから、布団を出して寝るだけの部屋なんだけどね。


 俺達のと護衛の者用だ。

 布団、トイレ完備。

 風呂場も小屋を出して魔導具だが、給湯器まで設置する。

 水用のタンクも出したり、保存の効く食料もそれなりに出しておく。


 これはここに留まる護衛の為だ。

 ニーナの話だと2日も掛からないと言っていたが、護衛には最長10日間待ち、それを超えたら死んだと判断して町に戻れと伝えてある。


 今日はバーベキューをしたりと、緊張感のない温い野営となり、朝1番でダンジョンに入るので、早々に休む事にしたのであった。

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