第220話 超ぬるい野営

 俺は心地良い胸に抱かれて俺は眠っていた。

 インターバル時間についてミスり、これからイチャイチャ!と思うも駄目だった。

 胸に顔を埋める形で動けなくなった。


 アウィンはそっと俺を抱きしめずっと添い寝をしてくれていたが、そんな俺は降下してから初めて目覚めたが、意識をなくした俺を心配そうに皆が見ていた。


 俺が目覚めた時はアイリーンに膝枕をされていた。


「あれ?ここはどこだっけ?」


「目が覚めたのね!ここはどこって?うん。栃郎さんが私と飛んだときに最初に降りた場所かな」


 言われてみれば見覚えがある。


「何か出たか?」


「何もいないんだ」  


「よし、王都は1日歩けば着くと思うから、出発しようか」


「レオン、何を言っているのだ?そのような事をしてレオンが倒れるぞ!」


「今日はここで休むのが良いと思うの」


 皆が同じ意見だった。


「じゃあ、ここを野営地にするけど良いのか?」


「レオン様、この見晴らしの良いところでテントを張るのですか?」


 エンピアルが不思議そうにしていた。


「いや、岩で囲うよ。ただ、上から来られたら囲いは逃げ道を塞ぐだけだから、逃げ道を少し開けるようにしなきゃなんだよな」


「じゃあ見張りの順番を決めなきゃですよね」


「そうなるね。よし、皆俺の周りにいや、背中側にくっついてくれ」


 皆何をするのか察したようですぐに俺の周りにくっついてきた。


「今から岩を出すから絶対に前に回るなよ!」


 そう言ってから3、2、1、0とカウントダウンして岩を出して先ずは地面をならし、向きを変えたりしみんなが背後にいるのを確認、カウントダウンして岩を出すのを繰り返した。最後は下がってもらいほぼ完全に四方を囲った。


 隙間に物を置き、出入り口とした。

 それから寝泊まりする小屋を出し、トイレ小屋を反対側に出した。


「あれ?こんなのをいつの間に作っていたのだろうか?」


 アウィンが不思議そうにしていた。


「ああ。ハンニバル兄に作って貰ったんだ。以前腕の良い大工がいると話していて、こういう時用の小屋をね。布団もあるからちゃんと寝られるからね。あと外に水の入ったタンクと流しを置いておくから顔も洗えるぞ!」


「御主人様はエロいだけじゃなかったんだ!凄いのだ!」


「一応セレネも俺の奥さんなんだから御主人様じゃないぞ」


「驚きました。あの変態がこのようなものを作る伝があり、陛下に実用的な物を提供するとは」


「シャルルは相変わらず兄貴に厳しいな」


「栃郎さん、中に入っても良いですか?」


「瑞希、もう結婚したんだからそんなに丁寧な話し方をする必要はないんだぞ」


「うん。分かってはいるんだげど、下手に変えると公式の場でボロが出そうだから変えない事にしているの。ほら、シャルルがそうしているから、多分同じ理由かなって」


 肝心の内装もしっかりしており、女性受けのする感じだった。

 流石兄貴!細かい所も隙がない!


 緊張感の無い俺達は取り敢えずバーベキューをしてその日の食事を楽しんだり、更にお風呂小屋も出し、そこにある魔導具にてお湯を張り俺が皆を洗っていた。

 魔導具に細かく魔力チャージをするのと、大きさは2人が限界で俺は人数分風呂に入り、長湯で疲れた位だ。


 皆の言うには俺が散々気絶して下の世話も皆がしているから、たまにはお風呂で背中を流すくらいしなさいとみっちゃんの一言に全員が拍手し、やらざるを得なかったんだよな。


 普段と違うので皆喜び、俺はみんなから心のこもった全身マッサージをされ心地良く眠りに落ちたのであった。


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