第207話 正式な発表!
シャルルが民衆を安心させる為、バルコニーから手を振る事になった。
まるで新賀の挨拶だな!
復興の最中にも関わらず城の前は人で埋め尽くされていた。
「どこから湧いてきたんだ?」
そんな間の抜けた言葉を発する俺はこれから発表される事を知らなかった。
城の前にはどでかいスピーカが置かれ、その裏では発電機がフル稼働している。
発表者はミナリリカの従兄で、名はランクールと言う。
忙し過ぎてミナリリカの従兄としか覚えていない。
こういうのをなんというのだっけ?
日本だと天皇陛下が年始にやるよね。
まあそれは俺の立場だと分かる。
よそ事を考えていた。
いつの間に用意したのか、女性陣はドレス姿で眩しかった。
何せニーナもドレス姿だ。
勿論初めて見るし、これまで頑なに拒否していたが、心境の変化か?
シャルルが話をつけたらしいが、恐るべしシャルル。
そんな俺達はひたすらにこやかに手を振る。
ランクールが俺達の名を読み上げている。
「・・・異世界より来たりし全てを射抜くアイリーン、同じく異世界より来たりし、調整者道村海弥姫、アーリバン国から開放されしエンピアル、ここにはいませんが同じくラーナ、フレア、アデル、皇帝の守護者猫耳族のセレネ、旧サルベル国王女 シャルル・アルベル・サルベル、旧サルベル国騎士アウィン、我が国のミナリリカ姫、そして剣聖ニーナことライザット・ニーナ。
この者達は我が国が皇帝栃郎の配下に加わるのと同時に正式に婚姻した事を発表致します!皇帝陛下は先のドラゴンを2体共討伐なされた救国の英雄であります!」
うわああああ!
うおおおおお!
観衆から歓声が湧き上がる。
今何と言った?婚姻?婚約か?
良く分からないがシャルルがにこやかに手を振っているから俺も倣う。
すると台に乗ったミナリリカが俺の目の前に来てその小さな手で俺の頬を掴んだかと思うと・・・ブチュー・・・キスをしてきた。
その後先に呼ばれた者が皆キスをして、群衆の興奮は最高潮を迎える。
「・・・これにて終了となります」
良く分からないが、メイドさんに導かれバルコニーから退出した。
城の中にまで万歳コールが聞こえる。
「なあシャルル、よく分からなかったが、さっき何を発表していたんだ?ミナリリカまで呼ばれていたが?」
「陛下、正式に婚姻したと発表したのよ。ミナリリカは少し早いので、初夜はもう少し大人になってからね」
俺がへっ?と唸るとシャルルはにこやかに微笑んだ。
「全てを丸投げするからよ!ほら、アイリーンも何か言いたいようよ。もう発表しちゃったんだから受け入れるしかないし、もう私達は人妻なの。うふふ私は初夜を過ごしましたし」
「栃郎さん。ありがとうございます!シャルルが今日重大な事が起こるからと聞いていたけど、正式に奥さんになったのね!愛しています!」
「ちょっと、婚姻を発表するならちゃんと言いなさいよ!嬉しいけどびっくりしたじゃないの!でも、私も愛しているのよ!」
「アタイも遂に年貢の納め時か!」
「嬉しいのだ!アタイ初夜も尽くすのだ!」
「レオン様の奥さんになっただなんてエンピアルは幸せです!」
「あー・・・陛下、例の魔道具にて各地方に中継されていますからあしからず!」
俺は皆の夫に何時の間にかなったようだが、皆の笑顔が眩しく・・・眩し過ぎてか、シャルルに嵌められたからか、にこやかな顔をしつつ涙を流すのであった。
後書き失礼します。
最近の更新は短話で調整していましたが、何とか新賀の挨拶ふうな話を元旦に持ってこれました。
今年も宜しくお願いします!
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