第205話 閑話頑張るシャルルを労ったはずが・・・

 俺達が指揮を取ってから暫くの間混乱は続いていたが、それも俺が城を出してからは段々と落ち着いてきた。

 民の狼狽えようが激しかったが、城が健在で為政者がいると分かると動揺も減り、一部の兵士にドラゴンを無事討伐したと触れ回わらせていたのもある。


 また、治安の方にも力を入れ、パトロールを強化し、犯罪を犯した者には厳罰を徹底した。


 強姦した者がおり、見せしめに公開処刑をした。

 これはシャルルやニーナからの提案で、俺が承認した。

 シャルルの力に嘘を見抜くのがあり、黒だったから即時に決行した。


 町の被害自体は大きいが、それでも人の被害は全体から見れば僅かだ。

 それよりも王位継承権がある者がこの中学生位の女の子しか生き残っていない事が痛かった。


 他国に行けば政略結婚で嫁いだ者がいるが、今の場にはこの可哀想な子しかいない。


 殆どの者の治療が終わり、俺の役目も魔力補充から瓦礫の山を処分する係になっていた。


 俺の名代としてシャルルが頑張っていた。

 一段落付いた頃には皆泥のように眠り、俺は国をまとめようと奔走しているシャルルが心配で、俺の部屋に呼んで肩を揉んだり真面目なマッサージをして労っていた。


「なあシャルル、君が頑張っているのは分かるし、皆君を頼っている。でも中々難しいようだな。俺が何かしたりしてシャルルの助けになればと思うが何かないか?何でも言ってくれ」


「それでしたら、ご寵愛を!それで私は頑張れますわ」


 俺は固まった。


「ふふふ。冗談ではないですが、真面目な話しをしますと、陛下の正式な妻にして頂きたいのです。すると反発している者も黙るでしょう。但し、私の場合正式な妻というのは陛下のご寵愛を賜る必要があるのですわ。私はレオン?栃郎?貴方を愛しております」


 彼女が俺の唇を求め・・・


 シャルルを正式な妻にすると決め、夜な夜な愛を語った。


 そして勿論本物の朝チュンだが、俺は今頃になって自己嫌悪に陥っていた。


 この大変な時に何をやっているのか!?と。

 俺の胸に寄り添うシャルルが察したようだ。


「魔力の殆どを使い果たしたのですわよね?確かその状態だと心が沈むと聞いていますわ」


「済まない。この大変な時に何やってるんだろうと、俺は最低だなってつい思ったんだ。でもシャルルを愛しているのは本当だよ」


「分かっております。ただ、アイリーンより先にご寵愛を賜ったのが少し心が痛むのですが、それでも私は名実共に愛する人の妻になったのだと幸せです。それにその状態が魔力の枯渇ですわ」


 普段の俺ならまだシャルルを受け入れなかっただろう。魔力が枯渇している為に判断が変になっていた。女とやりたい!その思いが強くなったのは生存本能がなせる技で、シャルルは中々抱こうとしない俺に抱かれるチャンスだと思い、俺が迫ってくるように誘導すらしたと言う。


 生存本能と言うか、魔力枯渇状態は死のリスクが高い状態だ。

 女を抱きその女に身籠って貰いたいと思う力が働いたのだ。

 魔力が強い者程その傾向が強いのだそうだ。


 シャルルはこの国も俺の配下に入る事になると言い、その後の総督を誰にするか悩んでいた。


 男子の王族が全滅しているからだ。


「でもさ、国民の感情からしたらあの子を総督にするしかないだろう?まあ、お飾りになるだろうが、総督代理を立てて、とかは駄目か?」


「政治に疎い割に分かっておられるのですわね」


「国民の側に立つのはね。えっと、ソロソロ朝食だから服を着て活動開始と行こうか」


 そうしてこの町に着いてから3日目の活動を開始するのであった。

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