第184話 公爵の娘

 全員を拘束したので無線でアイリーンを呼び、ニーナには護衛をして貰い俺とアイリーンでメイド等、非戦闘の女性を除く者の手足をインシュロックで縛っていく。


 こいつらどうしたものかなと思うも、取り敢えず1人1人の首に収納に入っている隷属の首輪を巻いて行き奴隷にしていった。

 首輪はまだまだ大量に持っているから公爵は別として、非戦闘系の者を除き全員を奴隷にする事にした。

 非戦闘系の者は怯えており、貞操や命に関わらない限り抵抗はしないだろう。


 男の中に執事がいるが、護身用のナイフのみで基本的に非武装扱いだ。


 捕らえた者の中に公爵の妻とその娘がいる事が分かり、心苦しいが公爵の身内は女性とはいえ奴隷にせざるを得ない。


 公爵の娘は銀髪の妙齢の女性で、さすがに見た目はものすごい美人だが、散々悪態をつかれとてもではないが書けないような卑猥な事を散々言われた。この腐れXXXめ!とかである。

 18−20歳か?

 実際は16歳だったが、化粧なのか服なのか大人びて見えた。


 俺は娘に唾を吐き掛けられ、頬に掛かったので手の甲で拭うと意味ありげな視線を向けて舌で舐め取った。


 トランシーバーで(イヤホンをしている)ニーナから変態を演じるのに唾を拭って舐め取れと指示がありついつい従った。

 勿論そんな事で悦ぶ性癖はない。

 まあ、キスをしたら唾液を交換する事になるし、相手は見目麗しい女だから我慢はするが、あまり気分は良くない。

 ニーナは俺にとってのご褒美を演じさせ、一矢報いた!唾が掛かりざまあみろ!と思わせず、逆に性的な興奮を呼び起こした悪手だと思わせる意図が有ったのだが、ニーナよ、お前の中で俺はどんななのか1度じっくり話し合う必要があるな!

 ただ、もうつばを吐き掛けられる事がなくたった事から効果的面だったとだけ言っておく。


「お前は誰に唾を吐き掛けたのか分かっているのか?しかも今は奴隷だという事を忘れてやしないか?」


 ニーナがその娘の胸ぐらをつかみ、脅し始める。


「見ての通りこのレオンというのは英雄色を好むの通りかなりのむっつりだぞ。今晩レオンの寝所に寝巻き姿で来るんだな。しっかり可愛がって貰うといい」


 ニーナから開放されると、母親に抱きつき泣いていた。


「そんな!お母様どうしましょう!私の純潔がぁ!イヤァァァ!ひぃぃぃ」 


 ニーナはその辺の何かを叩いたりし、バシッ!と音を立て、公爵の娘を震え上がらせて悲鳴をあげさせていた。


 俺がニーナに抗議しようとしたが、アイリーンに止められた。


「ニーナ!メッですよ!」


「でもなぁ、レオンに唾を吐き掛けたんだぜ!だからこれ位の脅しがあってもいいと思うぞ」 


 勿論嫌がる女を手篭めにするつもりはないが、寝室に来たところをアイリーンにメッですよ!をしてもらおうと思っている。


 しかし、自ら抱かれに来たらどうしましょう!?


 コホン。それはさておき、さてこいつらどうしよう?となった。


 ニーナから俺が王都に飛ばしたらどうだというも、アイリーンから魔力切れを起こしてまた倒れる可能性があるのと、更に馬をどうするのか?と問題定義をされた。


 なので唾を吐いた娘、内戦に関わっていない非戦闘系のメイド達だけを飛ばす事にした。


 また、別の所に1人で拘束している公爵に向き合う事にしたが、先にニーナが詰問していた。


「お前の娘は中々の器量で、我が主の慰み物になってピィーピィー言う事になるぞ!」


「娘は、娘は関係ない!儂はどうなっても良いから娘には手を出さんでくれ!」


「お前の正直度によるな。嘘を言ってみろ?我が主が兵士達の前でお前の娘を凌辱する事になるぞ!」


「は、話す!何でも話す!だから娘は開放してやってくれ!せめて国外追放に留めてくれ!」

 

「じゃあ手始めにお前に協力した奴の名を挙げてもらおうか!勿論、正直に全てを話すならアタイがあんたの娘の純潔を守ってやるさ!」


 しかし、ニーナの外道としか思えない尋問は早々に公爵を屈服させた。

 先程娘を泣かせたり、物を叩いていたのは娘を乱暴に扱った感じを醸し出し、公爵の心を折る為だった。


 俺は甘かったのだが、ニーナは急ぎ関係者の全てを捕える必要からこのような手段をとったと後から聞いた。

 ニーナも無力な女に手を上げるつもりはなかったのだが、俺に唾を吐いた事に怒りを覚えた事から必要以上に追い込んでいた。


 そして奴隷にした者達を元の馬車に押し込めた。

 来た路を戻らせて王都に向けて急ぎ出発させる。

 途中で騎士団と出会うはずだからと言い、その後は騎士達の指示に従い王都に行くように命令を出した。


 また、飛ばす者達に手紙を渡し、城にてもしも俺がいなかったりした場合は、最初に会った者に見せるようにした。

 皆震えており、俺の求めに従い人の輪を作ったのでさくっとタウンドリフトを発動した。


 そして飛んでいったのを確認してから俺達は再び空の人となり、王都に向けて街道の上を飛んで行くのであった。

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