第151話 スキル制御5段階目
俺は悶々としながら講習を受けていた。
昨夜抱かされた、いや、懇願して抱かせてもらった女の柔肌の事が頭から離れない。
無性に女を抱きたい!
今はそれしか考えられなかった。
自分でもおかしいと思う。
公爵の所で最初の女を抱かされた時は、多少なりとも抵抗したが、高校生達を救うにはこれしかないと公爵に力説され、1晩で一般人の年収相当の金を払い、4人の女を手配していた。
1人につきボーナス全部を注ぎ込むような高級娼婦だ。
毎回病気を回避する高級ポーションを飲んでおり、性病には罹らないのだが、そのポーションが高いのだ。その店の女絡みでこれまで誰1人として性病を患っていないという。
俺が倫理観やアイリーン達、亡くなった妻に申し訳ないと躊躇していたが、公爵は俺が高級とはいえ娼婦を抱くのを躊躇しているのは病気が怖いと思ったらしい。
高校生達を救わなければと説得されて、渋々と1人目を抱いてからは、公爵のいうには盛の付いたサルの如く激しかったらしい。
1人目を抱いてからは何かがプッツンと切れたような気がし、調子に乗り色々な体位を伝授・・・コホン。
前日も公爵に48手を教えねば!とまた抱かせてもらう事を言おうと。
アイリーン達には高校生達を救うためだと言い訳が出来るし。
何せアイリーンは結婚するまでやらせてくれない。
あの胸に早くしゃぶりつき、俺の色に染めたい!
そんな事を考えていた。
そんな中、我慢出来ずに、午前の講習が終わる直前にアイリーンの太腿を触っていた。
流石にアイリーンも俺の様子がおかしいと思い、セレネに見張りをさせシャルルと女子トイレに俺を連れ込んだ。
「積極的だね。君の方から誘ってくるなんて。2人相手にトイレでやるのか!くくく!可愛がって・・・」
パチーン!
俺の右手がアイリーンの胸を触った瞬間、アイリーンから強烈な平手打ちが入った。
「何やっているんですか!正気に戻ってください!スキルに侵食されているってなっていますよ!もう4段階目を取って大丈夫なんじゃなかったんですか?」
俺ははっとなり手を引っ込める。
頭の靄が消えたような感じだが、俺がしていた事ははっきりと記憶にあるが、何故そうしたかは分からない。
「何でスキルの侵食って分かるの?」
「おかしいと思ったんです。奥さんに操を捧げていたのに、急に変態さんになったから何かあるの?と思ったんです。それで栃郎を鑑定したら精神異常となっていたんです。殴ればスキルを使わなければ正常みたいですけど」
俺ははっとなり慌ててスキル制御を見直す。
1 スキルについて2つまで攻撃性を抑える。但し性的欲求が高くなるのは対象外
3 スキル2つまでの完全制御
5 スキル4つまでの攻撃性を抑える。但し性的欲求が高くなるのは対象外
10 スキル4つまでの完全制御
20 特別スキルを含め完全制御
前回見た時はなかった項目の表示がある。
20 特別スキルを含め完全制御
心当たりがなくはない。
新たに取得出来るスキルは、表示されるのは条件を満たしているスキルだけのはずだ。
つまり4段階目を取得して初めて見えるのだ。
俺が呟いていたのでアイリーンも分かったようだ。
どうやら俺のスキルは特別スキルが混じっているようだ。
「すまない。条件を満たした後にスキルチェックをしていなかったようだ。俺のレベルを40に上げてスキル制御の5段階目を取らないといけないようだ。暫くは俺がおかしいと思ったら殴って欲しい。その、ごめん」
俺は急激にやらかした感に苛まされた。
「仕方がないよ。皆を逃すために取ったスキルの影響でしょ?でもどうするの?」
「うん。明日からの5日間のパワーレベリングを強い魔物のいる所でやらないとだな。自分でいうのも何だけど、己を抑えられなくなっているから時間があまり無いと思う。気が付いたらアイリーンを犯しているなんて状況になり兼ねないから」
「うん。分かったわ。私から皆に伝えるね。その、もし私を襲ったら正式に妻にしてもらうだけだからいつでも待っているわ。でも、初めては正気の時が嬉しいの」
俺は考え事をしていて、皆に伝えるねの後を聞きそびれていたが、アイリーンに引っ張られて皆の所に行き、取り敢えず昼を食べに行く。
何故かコナリスとイリーデ達のパーティー員を含めゾロゾロとシャルルが予約した店での昼食だ。
そこでアイリーンが顛末を話し、俺の奇行はスキルにより精神が侵されている影響だからと、本来は亡くなった妻に操を立てて、風俗にも行かない性質と話していた。
コナリスからジト目をされるも、何とか男子全員がスキルの影響から公爵の変態行為に付き合う事に抵抗しなかったと理解したようだ。
谷本君達も最初こそ抵抗していたが、1度女の体を触ると自制が効かなくなっていたなと思い出した。
気不味かったが、さくらとコナリスが明日からのパワーレベリングについて、コナリスとイリーデを伴う事で不問にすると言われ、うんと言うしかなかった。
そこからの会話も何を食べたのか分からなかったが、公爵からの接待時について、俺は己の中に秘めていた変態さんが目覚めたのではなく、スキルによる影響だったと理解し安堵した。
それでも午後からの魔法の講習に集中するのだが、何とか魔法を自力で覚えたいものである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます