第102話 side さくら1
私は宮沖 さくら(みやお さくら)
瑞希とタメを張れる学校でも屈指の美少女よ!現に逆ハーレムができているもん。チヤホヤされて悪い気はしないけど、でもね、草食系男子にばかり言い寄られているのよね・・・だからあの子達はパシリ、コホン、大人になったらアッシー君かな。
私、自分を安売りする気は無いの。でも念の為キープかな?
さくらは身長160cm、スラッとしたモデル並みの美貌の持ち主だ。キャピキャピとしており、あざとい感じで男心を燻るぶりっ子だ。髪は片流しにしていて、胸くらいの長さだ。
その為一部の男子に絶大な人気があるのと、1人の女子が取り巻きとしている。美少女であり学校ではモテ上位になる。
そして今は修学旅行当日の駅。
さっきから剛の様子がおかしいわね。
「ちょっと剛君、どうしたの?大丈夫?おトイレなら今のうちに行った方が良いと思うの。おトイレを我慢するのって体に悪いと思うわ」
さくらはニコリと微笑む。男子はその笑顔にデレーっとなる。
人はそれをあざといという。
「う、うん。さくらちゃん、ヤ、ヤバそうだから行ってくるよ!」
私の取り巻きから、「漏らすなよ!」とか、「間に合うと良いな!」と声を掛けられ、ダッシュしていったわ。
全くもう情けない。さっきトイレに行っとけって先生が言っていたのに!そりゃあまあ、私とお喋りをしたいのは分かるけど、お漏らししたらもう口なんて聞かないわ。
取り巻きの中で顔は1番良いのだけど、中身はお子ちゃまなのよね。
デートに位誘ってくれたら良いのに!ご飯くらい奢られてあげるわ。でも手を握るまでよ。それ以上は駄目。
あっ!あの馬鹿!おっさんにぶつかっているじゃないの。しかもそのおっさん、瑞希にぶつかったじゃないの!何やっているのよ。瑞希のファンからボコられるわよ!
って何この光?うそっ?ちょっと和美、ドサクサに紛れて抱き着かないの。
まあ、可愛い妹分だから私が守ってあげなきゃかな?男子の狼狽え振りが情けないわね。瑞希は・・・うわっ!おっさんに抱き着いた!あのこファザコン?
次の瞬間変な所にいたわ。苦しくてゼエェ、ゼエェ、ハァ、ハァ、となっていたわ。
皆、這いつくばっているわね。私は回復?が早かった方かしら。何よこれ!
周りを見ると、あれっ?瑞希が知らない男の子に抱き着いているわね。私の方は、1、2、3・・・あれっ?剛がいない?あいつったら何やっているのよ!
・・・
少し進み、王女が出てきた。
何よあの格好!胸が強調されすぎじゃないの!恥ずかしくないのかしら?乳首が見えないのが不思議よ。
Gカップ?
うわ~流石に男子の視線は胸に釘付けね。それにこれって異世界ってやつ?そうとしか思えないんですけど。
和美と抱き合っていたの。言っとくけど、私、百合じゃないわ。和美は子供の頃から私の後ろをずっと付いてくるの。怖いわ。
でも取り敢えず襲われる事も無いようね。スキルを取る?何よ?ゲームの世界にでも来たの?ひょっとしたらイケメン王子に求婚されてやがて王妃様?きゃっ!ってそんなに世の中は甘くないわよね?もしも乙女ゲーだったら、瑞希がメインヒロインで、私は悪役令嬢?はぁ。
・・・
その後王女からの話があり、今はさくらのスキル選定の番が回ってきた所になる。
さて、私のターンね。何があるのかしら。
私は守ってもらいたいから、皆に強くなって貰うのが良いかしら?
そうねぇ、これなんかどうかしら。
【ステータスアゲアゲ】
変な名前だけど、自分を含め、パーティーメンバー全員のステータスを大幅に上げられる。
更に特定の1人にのみ、自分のステータス上げを無くする代わりに、2回掛けられる。
概ねレベル10分の補正が掛かる。
レベル10の補正がどれ位か分からないけれども、うん。これね。
もう1つは・・・
【ハイド&シーク】
その場に異空間が発生し、体はその異空間に入って隠れる事が出来る。ありとあらゆる攻撃が届かない。触れているか、触れられている者も同行できる。
但しその場からの移動は不可。また、その場の様子を見られる。これだと襲ってきた者がいて逃げていても、隠れた後に、その者が諦める等してその場から去るのを確認できるじゃない!
うん。私みたいなか弱い女子にはこれが良いわね。誰よ?ゴキブリ並みにしぶといって言ったのは?コホン。
さくらはこのスキルが悪用可能な事に気が付いていない。男ならこんな事も可能だ。
風呂がやっていない時間に女子風呂に忍び込み、その異空間で夜まで過ごし、覗きをする。
また、女子の部屋に忍び込んでひたすら夜を待つ。そして部屋の主が着替えをするのを覗いたり、寝静まった頃にスキルを解除し、寝ている相手の手足を縛り、強姦するなどだ。
また、店に忍び込みトイレ等に入りそこで異空間に待機。店を閉めたあとにやりたい放題盗む等だ。
さくらは2番目にスキルを取りに行った。だから、犯罪に使えるスキルなのを悪意ある奴が取らずに済んだのである。
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