第44話 神器捜索
レオン達は国王の執務室、宝物庫及び金庫と国の重要なお金と宝物類がある場所を漁り終わった。いや、一切合切収納に入れていった。
次はとなり、摂政の部屋を漁り、その次は魔石を収蔵している倉庫がある筈だから、そこに行くとニーナに言われた。
回収する優先順位をニーナに決めてもらっていたのだ。国璽に相当する物が最優先だと言われた。その次に優先するのは3種の神器だと。国璽は国王の執務室には無かった。
レオン的には宝物庫か金庫の優先順位が高いと思ったのだが、ニーナに言われたので認識を改めた。
「あのなぁ、よく聞くんだ。この先アーリバン王国と何か有った時に、あの国が一番欲しいのは何だと思う?金か?魔道具か?」
「魔剣グラムですか?」
「確かにそれも大事だろう。しかし1番じゃない。さっき国王の机にあった宝玉等がそうだ。この後摂政の部屋を漁るぞ。国璽と3種の神器を回収しないとな」
ある筈の王笏が無かったのだ。
国王の机に有ったのは宝玉だけだ。王冠は国王がかぶっているだろうから無いだろうと。(レオンは国王が王冠をかぶっていたのを見ていた)
残りは摂政が任命された時に貸与されている筈だと。それと国璽。
あの国では通常近衛騎士団にて王冠が管理されており、謁見の間にて政務を行う時に都度戴冠させ、執務が終わると騎士団にて預かると。
これは万が一賊が忍び込んでも、3つを1度に奪われない為だと言う。
それと、3種の神器は召喚の儀式などで使うのだが、所有者を分けないと、暴走した国王が国を滅ぼし兼ねないので、国王、摂政、近衛騎士団長の3者同意で神器を揃えるようにしていた。今回も、召喚が終わった直後に執務室に宝玉を直ぐに戻したのだろうと。
普段王笏は宝物庫か金庫に有るとニーナは睨んでいたが、そこに無かったから摂政の執務室に有ると思うとの事だった。
うーん、よく分からん!
「何故それらの確保が最優先なんだ!?」
その疑問をぶつけた。
「他は替えが効くが、3種の神器は失くなると国の権威が失墜するから、死物狂いで取り戻そうとするだろうさ。国の威信に関わるんだ」
恐らく城が無くなり、その後神器も無いと分かると全力を上げて追跡隊を出しただろうと。
国と国の交渉材料になるから、敵対国に媚びを売る事が可能だと。
媚を売らないまでも、貸しを作るくらいは可能だ。一緒に召喚された者の安全を引き出す材料になったり、使い方は色々あるからと言われたのだ。国相手に切れる切り札となると。だから城が崩れて発見されなくなるのは痛いという。
そうして次の部屋として摂政の執務室を物色する。
国王の執務室より1回り小さいが、本の量が半端ない。壁沿いは全て本棚だ。勿論鍵が掛かっていたが、鍵が無かった。仕方がないのでドアを壊して中に入った。
ニーナはトラップを警戒していたが、何もなかった。ただ、ドアの上部から何かが落ちてきた。小さなゴミと見間違う程の塊だ。どうやら誰かが許可なく入った事を把握する為の印で、その塊が床に落ちていれば誰かが入った証拠になるが、それだけで、燃えたりはしなかった。
しかし、王笏はあっさりと見つかった。
執務室の机の横に飾られていたからだ。それも座った位置から見える範囲にだ。
目的の物が見つかったので、机の中は後ほど物色する事とし、部屋にある物を収納し、次は地下にある魔石の貯蔵庫に向かう。
因みに城を置く場所は1号岩により均しており、地下1階が埋まる深さが陥没している。
なので地下は真っ暗だ。その為松明を使う。その前に厨房が見えたので、食材や調理道具も回収するが、調理器具はアイリーンに出して貰い、レオンは隣の部屋の魔石を棚や籠単位で収納していく。ニーナによると、これらを売るだけでもひと財産だと。何故か厨房の隣りにある。食料庫は分かるが魔石の貯蔵庫は謎だった。
「ニーナ、この魔石はどう使っているんだ?」
「ほら、厨房にコンロやオーブンがあるだろ。これらは全て魔道具でな、魔石はその動力源さ。厨房が1番魔石を使うから、貯蔵庫が地下にあるんだよ。それと結界を張るのにも多くの魔石を必要とするんだよ」
「ニーナさん、魔道具の使い方教えて下さい!」
「魔道具全般では、魔石をセットするか、魔力を込めると魔道具は発動するぞ。魔石から魔力を吸い出すから、最後は魔力が無くなると魔石も無くなるな」
おー?アイリーンも女の子だな。これまであまり城の中の物に興味がなかったようだが、ふむふむ、調理道具には反応したか。
とはいえ、引っ越ししてきた当日のように何もない空間にして、取り敢えず是が非でも回収したい物は回収したので、次は王子や王女等王族の居室を物色する事にしたので、地下から1階に上がった。
しかし、1階に上がると目の前に魔物がいたのであった。
作者からのお願いです。
ここまで読んで頂き有り難うございます。もしもまだフォローと★★★をされていない方がいらっしゃれば、フォローと★★★登録を是非お願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます