第43話 お宝発掘と金庫
札が掛けられていて、ニーナが確認すると扉を開けようとしたが開かない。
「札があるなら、なんて書いてあるか言ってよ!」
俺がぼやくも、ニーナの耳には届かなかったようだ。
まあ鍵が掛かっとるわな!と思っていたから冷静に国王の執務室に有った鍵を出して、試すと数本目で開いた。
「アイリーン、いよいよお宝拝見と行くよ!」
「レオン?悪人の顔になっていませんか?でも楽しそうですよね!」
「そりゃあお城の宝物庫だよ!金銀財宝でしょ!男のロマンってもんでしょうが!」
ニーナが目をギラギラさせながら、宝物庫?の扉を開けたのであった。
宝物庫は12畳位の細長い部屋で、両脇の外周に沿って棚が置かれており、色々なアイテムが置かれていて、大物は突き当りに置かれている。
ニーナは一心不乱に何かを探している感じだ。
杖があったり、腕輪があったりする。
「アイリーンの鑑定が頼りだよ。風の腕輪みたいに装備できる魔道具が1番ありがたいかな」
3人で一緒に見て回る。アイリーンが鑑定した名前のアイテムを収納している間に、アイリーンは次のアイテムを鑑定している。
収納に入れる時に名前をつけられるから、アイリーンが言った名前を登録しておく。記憶力は抜群なので、レオンは絶対に忘れないのだ。
ふと気が付くとニーナが1冊の本を手に取り見入っていた。
「ニーナ、その本がどうかしたの?」
「失われた回復魔法についての本のようでな。噂には聞いていたが実在していたのだな」
「ニーナの役に立つのかい?」
「これでも回復魔法の腕には覚えがあるのだが、さらなる高みに登れる可能性があるんだぞ」
「じゃあニーナが使って。まあ、今は取り敢えず失くさないように収納に入れておくけどね。読みたい時はいつでも言ってね」
「お前、これの価値がどれほどの物か知らないから簡単に言っているが、アタイが読んでも良いのかい?」
「何か成り行きで一緒に行動しているけど、世話になりっぱなしだしさ。ニーナの役に立つのなら使ってよ。俺が持っていても収納の中で死蔵するのが関の山だからさ。それと、装備とか役に立ちそうなので欲しいのがあったら言ってね。流石に欲しいのがダブったら最後は3人で不公平にならないように話し合って分配しよう」
「ニーナさん、遠慮したら駄目ですよ!」
「分かった。アタイがお前達に役に立つ物を見繕って、2人が使わないのなら貰うとするよ」
片手剣で気になるのがあったようだ。他に有用なのでは、耐熱マントが有った。
炎と冷気に強いようで、数枚あったので各々に配布した。見た目はごく普通のマントだ。
また、属性魔法の腕輪が何個か見つかった。アイリーンが着けているのと同じのもあった。
ここには4属性分有ったのだ。
男は火だよね!それと水。
アイリーンには土かな。ニーナに風の腕輪を着けるかと聞くと驚かれた。
「お前達、これは売れば大金貨10枚にはなるんだぞ!」
「貨幣価値がいまいち分からないけど、高価な物なのですか?」
「小さいのだが、家が買えるぞ。それと、普通の家庭が必要とする10年分の生活費位だぞ」
「そうなんですね。風はアイリーンが既に身に着けているから気にしないで!」
「なら遠慮せずに頂くぞ」
その後はよく分からないのが多いのと、時間が掛かりそうなので収納行きだ。
次に金庫室に行く。凄まじい額の金額のお金がある。
100枚以上の白金貨が目の前にある。ニーナに聞くと白金貨1枚は、金貨1万枚相当なのだと。小国とはいえ、流石に1国の金庫だけあってそれなりに入っていた。勿論金貨や銀貨もたんまりある。
死蔵しそうだが収納行きだ。ただ、アイリーンがある程度欲しいと言うので、ある程度分けた。
「凄いなぁ。白金貨って、1枚で普通の者の生涯年収を超えるとかって、使いどころがないのかな?まあ、貰える物は貰っておこう」
そうして1国の金庫に入っているお金をゲットするのであった。
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