第33話 変な匂いのテンプレ発生

 何故かベッドが3つくっつけられ、2人の美女の頭が俺の胸にあり、抱き寄せる形で寝ているんだ。アイリーンは不安がり、抱き着かないと寝られないと言っていたが、ニーナは一度こうやって男の胸に抱かれて寝たかったと言って、アイリーンの真似をしていたんだよ。


 俺も男だからね!息子さんがオッキしたら抑えられないよ?と言いたいけど、男として見られていないのかな?と思うも、まだ妻の死から立ち直っておらず、誰かを抱いたり愛する気にはなれず、風俗にも行かなかったんだ。今は守るべき女性が2人?になったけど、温もりと胸の感触を堪能しよう。胸の感触を密かに楽しむ事位はあいつも許してくれるよね?アイリーンには明日からは例え部屋が一緒でも、離れて寝るように伝えようと思った。今はまだあの異常事態による不安からの脱却が出来ていないのだろうと。勿論未婚者だったとしても、こんな状況下で女の子に手は出さないさ。お触りもできず、2人の温もりを感じていたが、やがて俺も眠りについた。


 翌朝目覚めると寝た時のままで2人を抱きしめていた。非常にムラムラしていたが、2人が先に起きていた。


「アイリーン?何か変な臭いがしないか?」


「あっはい。私もおかしいなあって感じていました」


 俺はハッとなる。股間がヌルヌルしていて気持ち悪い。慌ててトイレに行ってきますと出て行き、ニーナに漏らすなよと笑われた。テンプレイベント、男の生理現象発生だ。


「ちょっとニーナ、男の人にそんな事を言ったらめっ!ですよ。誰でもおトイレに行くんですからね」


「あれ?もう臭いがしないな?」


「本当ですね!何だったんですかね?」


「ひょっとしたらレオンの体臭か?今迄あんな匂いがしていなかったはずだし、臭いが気になる事はなかったのだがな」


「じゃあ、戻ってきたらそれとなく臭いを嗅いでみましょうか?」


 そんな女性陣の会話はともかく、俺は可能な限りトイレで股間を綺麗にしたさ。寝ている時にあれが出ちゃった。さっき臭いがって、ごめんなさい。私が犯人です。収納にあった綺麗な布でフキフキシて、下着も替えたさ。で、袋に入れて封印!幸い城で手に入れて洗った下着だったからホッとした。後で捨てるか洗わないと。


 これは洒落にならない。定期的に自慰行為でもしておかないと、美女2人に挟まれていたらまた同じ事が起き兼ねない。一種の生理現象だしな。又は、娼館に行くか?


 取り敢えずスッキリした顔をして部屋に戻ると、何やら2人がクンクンしている。


「レオンからは何もしないぞ!」  


「本当ね」


「どうしたの?」


「先程何か生臭い匂いがしたの。でも今はしないんです。レオンは感じませんでした?」


「そうなんだ。起きたらトイレに駆け込んだからよくわからないな。今はしないの?」


 2人が頷く。間違いない。ごめんなさい。シラを切らせてもらいます。というか、ニーナの年齢で何故臭いの元を知らない?エッチした後とかにどうしても臭いがすると思うから、正体に気が付きそうだが?


 俺はまだ知らなかったんだ。この世界の貞操観念について。ニーナですら俺が本気で迫ったら逃げるはずなんだ。彼女のは単に身嗜みがだらしないだけ?だったが、基本的に結婚して、初夜に純潔を夫に捧げるものだった。だからニーナも経験なかったんだよ。しかもニーナはあの性格が災いして行き遅れているようだ。勿論この世界の事で、結婚適齢期の俺に間違ったアピールをしているとなんとなく気が付いてきた。だらしないかアピールのどちらかだと考えよう。


 だが、何とか乗り切り、着替えをしてから食事をし、そのまま宿を出た。取り敢えず徒歩で移動だ。しかし、町を出る前に靴を見てニーナが呆れていた。急ぐ理由も無いので身なりを整える事になった。ニーナは如何にもといった感じで冒険者の靴だよ。でもかなり様になっていて、帯剣しているけど、かなりの業物に見える。


 靴屋にて俺とアイリーンの足を見てからブーツを調整して貰うが、少し時間が掛かるので、その時間を利用して替えの服を買う事にした。ニーナは最小限のしか無いが、収納に入れたら問題ないからと、予備の下着位買いなよとお金を渡そうとしたけど、お金は間に合っていると自分のお金で買う事になった。


 各自の買い物は袋に入れて、俺は見ないようにするとした。収納に預かるが、プライバシーは勿論守るのさ。


 俺はその、下着を多目に買ったさ。その後靴を履き替え、町を出た。昨日もそうだが、一旦歩いて街道を進み、人がいない事を確かめてから脇道に入り、人の気配がしない事を確かめ、それから飛翔で進む段取りだ。そしてもう一度段取りを2人に話してから町を出るのであった。

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