第19話 勘違いからの土下座と責任を取ります!
俺は目覚めると血の気が引いた。
朝チュンだ・・・覚えがないが俺の胸に瑞希ちゃんの頭があり、肩を抱き寄せていた。つまりそういう事だろう。やってしまった?高校生に手を出してしまった?セブンティーンだ。不味い。非常に不味い。幸いなのはお兄さん今は独り身だから、許されるなら責任を取る形で結婚は出来る。不倫じゃないから!
でもどうしよう・・・未成年は不味い。ひょっとしてもう18歳になっている?
まじこの子かわええんだけど。優しそうだし、美人だけどピュアだ。今のこの日本には珍しい良い子だ。
だけど、お兄さん毒牙に掛けちゃったよ。多分この先の不安からお兄さんに身を委ねざるを得なかったんだよね?俺は最低だ。
でも寝間着を着ているんだよね・・・
どうやって謝罪しようかな。いや、謝ったら彼女が傷付く?ここは潔くプロポーズか?こんな事になるんだったらやっぱり強引に部屋を分けるんだったな。それとも彼女が俺を繋ぎ止めるのに、俺が迫っても拒否しなかったのかな?でもこの子とエッチした記憶がない。ひょっとして俺って酒をのんじゃった?実は食事の時に出されたのってお酒だった?じゃないと記憶がないのって説明がつかない。飲みやすかったけど、実は度数が高かったのかな?
そうして俺がオロオロしていると瑞希ちゃんが目を擦った。起きたよね・・・ついに起きた・・・グーパンチは覚悟しよう。
「ひゃいーいいい!と、と、と、と、と、ちろうしゃん!その、ののの・・・ヒィィイイ!ごめんなさい!」
エライ勢いでベッドの端に行ってしまった。
そりゃあ、初めて肌を重ねた相手と朝チュンだったら恥ずかしいよね。ここは女に恥をかかせちゃあいかん。ビシッと土下座を敢行だ。
俺はベッドから降りると瑞希ちゃんの側に行き土下座を敢行した。
「瑞希ちゃん。もし許されるなら俺と結婚してくれ」
「えっ!?うそ!?本当に!?私なんかで?・・・はい!不束者ですが宜しくお願いします!」
「勿論俺が君にした事は許される事ではないし、都合の良い話だとは思うし、責任を取るというか、ちやんとけじめはつけたい・・・?今、はいと言った?」
「あのう?栃朗さん?何故土下座をするのですか?ひょっとして栃朗さんの世代はそうやってプロポーズをするのですか?それと私って何もされていないですけど、言っている事って何かおかしくないですか?」
「えっと、確認だけど、俺と瑞希ちゃんは昨夜愛し合うとか、俺が襲ったりしていない?」
「えっ?そんな事は起こっていませんよ?何を言っているんですか?」
「ほら、朝起きたら朝チュンだったから、俺の胸を瑞希ちゃんが枕にしていたから、そういう事じゃないのかって!?」
「違いますよ!同じベッドでただ寝ていただけですよ。寝返りとかでそうなったんだと思いますよ?」
「良かった。じゃ、お兄さんは瑞希ちゃんに手を出していないんだよね?」
「私ってそんなに魅力ないですか?何もしてこなかったんですよ!栃朗さんは紳士ですけど、さっきのプロポーズはひょっとして私を手篭めにしたから責任を取るってやつですか?」
俺は頷く。
「もう、折角瑞希に惚れちゃって、まさかの出会った翌日にプロポーズ!だと思ったのに違うんですね。もう!今のは聞かなかった事にします!私、責任を取って引き取られたくはありません!ちゃんと臭い言葉で、きざったらしくプロポーズされなきゃ靡きませんから!」
瑞希ちゃんはトイレに行くと言って怒って部屋を出て行きました。お兄さんは呆然とその様子を見ており、勘違いだと分かりました・・・
戻ってきたらこんなだ。
「栃朗さんなんか、だああああいっきらい!私着替えたいからトイレにでも行ってきて、少し外で待っていてください!」
そうやって部屋を追い出されてしまった・・・嫌われた?
「いやああああああ!」
レオンの絶叫が宿中に木霊するのであった。
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