浮気をするなら手を引きましょう。永遠の美少年と言われた貴方もすぐにお終いです。
西東友一
第1話
私がまだ魔法少女として魔法使い見習いをしていた頃、私は今の婚約者フレッドに出会いました。
最初彼と出会った時、私は彼が雪男の子どもが現れたかと思いました。
けれど、そのつぶらな青い瞳がどうしても気になって、連れて帰ってお風呂に入れて、野暮ったい髪を習いたての風魔法で切ってみたら、肌は荒れてましたが、守りたくなるような美少年が現れました。
貴方に聞いたら、貴方は公爵の息子だけど、ずぼらだから追い出されたと言っていましたね。
もし、よければ私のところに来る?と聞いたら、ご飯をくれるならと言った貴方。私が作った料理を家のシェフが作った料理よりもおいしいと言って食べてくれましたね。あれは何の魔法も使ってなかったんですよ?
魔法を習った理由は永遠の美のため。だって女性みんなの願いでしょ?
まぁ、少女のうちから考えていたのは私くらいで、周りの女の子たちは惚れ薬とかの研究に熱心だったけれど、長い目で見れば、永遠のテーマを克服する私のほうが正しかったみたいね。みんなが調合のスキル磨いていたけれど、魔力は上がらず、魔法使いになってもみんな私の魔力の100分の1ぐらいしか使えないのだもの。
でも、私は自分に使うはずだった魔力の半分をフレッドに使いました。だって、自分の美しい顔を見るには鏡を見ないといけないし、それなら毎朝笑顔で「おはよう」と言うフレッドの可愛い顔をも守った方が幸せなんだもの。そんな彼が夜には甘い言葉を耳元で囁いて私を包み込んでくれる。惚れ薬なんか作れても相手が美男子じゃなくなったら私は嫌だもの。美少年のフレッドと私はお互いの美を尊重し合いながら、婚約をしたわ。
けど、私も一つミスを犯した。
いいえ、これは私が間違っていてみんなが正しかったとも言えること。
フレッドは浮気をした。
それも、他の女と。
それもそれも、私と同じ魔法使いと。信じられる?
最初は惚れ薬を疑ったわ。でも、違うの。
フレッドは普通に浮気をしたの。私が薬草を取りに行くから帰りは夜遅くになるとフレッドに伝えたものの、さらにレベルアップした私の魔力のおかげで、予想の何杯も早く家に帰えることができて、その時、見つけてしまったの。
彼が他の魔法使いとベッドにいるところを。
もう婚約してあったのよ? 私が婚約したのにどうして、と尋ねると、「いいじゃないか、減るもんじゃないし」と言ってきたの。わかる? もうおしまいよ。そんな感覚の男なんて、もういらないの。いちいちそれを説明するほど私もお人よしじゃない。だから、私の家から出ていってもらった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます