異世界に召喚されたけどなかなか厳しい世界だった

@dolto

新しい世界への期待 1日目

そこはある王宮の地下実験室。

1人の男が研究に勤しんでいた。

「出来た…これで理論上は別世界から人間を紹介できる…!」そう呟いた男は早速召喚の準備を始めた古い文献からこの世界以外に別の世界があることは判明しており、その別世界から人間を呼び寄せることが出来るのも判明していた。

が、その方法が分からず、手がかりも無い為難航していた。

しかし!たった今、異世界から人間を呼び寄せる装置が完成した。そして男はその装置を発動させる。瞬間、部屋は光に包まれて…




「…は?えっ?」いきなり目の前が白く包まれたと思ったらよく分からない施設の中にいた。

先程まで自宅で寛いでいたのに急に知らない施設に飛ばされたのだ。困惑するのも当然である。

「ほ…本当に召喚できた…」

男がそう呟くと召喚された者も男に質問する。

「ここは…?」

「コホン、失礼しました。私はレドリーと申します。そしてここはペトラ王宮の地下研究室です。貴方は私が先刻完成させた装置にてこの世界に召喚されました。」

レドリーはそう咳払いして答える。

「貴方を召喚した理由はただ1つ。全人類を苦しめている魔王の討伐です。この後早速仲間を…」

「ちょちょちょっと!待って下さいよ、魔王?召喚?何なんですかそれは!」

そう問うとレドリーは

「おっと、まくし立てて申し訳ございません。

詳しい説明は王からされますので、私に着いてきてください。」

そうして訳が分からないまま王の前に連れ出されるのだった。




無駄に長く、そして豪華な廊下の先には金等の宝石で彩られた大きな扉があった。

「ペトラ王、失礼致します。」

ゴウンと大きな音を立てながら扉が開いていく。

レドリー1人ではとても開けられないのでこれにも魔法が組み込まれているのだろう。

その扉の先は広間だった。

しかしただの広間ではなく廊下よりも豪華に装飾され床にはレッドカーペットが敷いてあった。

まさに王の間という感じである。

そして奥には玉座があり、レッドカーペットの端を従者が等間隔で並んでいる。

「すっげぇ…」

思わずそう言ってしまった。

そうすると玉座に座っている者が口を開いた。

「ふふっ、そうか。そう言って貰えると嬉しいね。

さてレドリーよ、この者が例の召喚者ということで宜しいかな?」

王はそう質問した。

「ハハッ!この者が私が先刻完成させた異世界人召喚装置で呼び出した異世界人であります!」

レドリーはとても丁寧な口調で答えた。

「そうか、これで我が国も安泰だ。さて召喚者君、君の名前は?」

急に話を振られたので驚いた。俺の名前は…

「荒木 蒼太…です。」

そう答えると

「では蒼太。貴公には重大な任務がある、召喚されたばかりで悪いが今からその説明をする。朕を、この国を救ってくれたまえ!」

そしてその説明を受けた、その内容に胸が高鳴るのを感じた。

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