49『【オンライブ】先輩達と初コラボする枠【宵あかり視点】part2』
『――さて、みんな準備はいい?』
『大丈夫です!』
『わ、私も…』
『お、オレも大丈夫です…』
【マジでこのメンツで全員一致ゲームやるのか】
【宵がパーティゲームをする日が来るとはな…】
【お題難しすぎない??】
【因幡と宵はそこそこ一致しそうだが果たして】
『あ、回答は一応、配信画面に見えないようにしてね。まぁ、そこまでしてワタシのフィギュアが欲しいならしょうが…』
『それはいらないです』
『私もちょっと…』
『………』
【メアちゃん食い気味で草】
【いざな懲りないなお前】
【いざなのしょんぼり顔すき】
【知り合いのフィギュアって考えると確かにちょっと…ってなりそう】
『うう…ワタシの味方はあかりさんだけだよ…ちなみにお題を出すGMは一問ごとに交代で回していくからよろしくね…』
『ちなみにお題になる人って私達から選んでも大丈夫ですか?』
『うん、いいよ。その場合はお題になった人は回答せずお休みで』
えっ、てことはオレもお題選ぶことになるのか…。だ、誰にしよう…?
『初めのGMはワタシが務めよう! お題は…ワタシ、幽世
などと、ちょっと考えている間にさっそくゲームが始まってしまった。そうか、お題って自分を選ぶのもOKなのか。もし思いつかなかったらオレもそうしよう。
【いざなのイメージか…】
【ナルシスト】
【自由人】
【職人肌】
【頭オンライブ】
『コメントを見ているとみんなバラバラなようだね。さすがワタシ』
『そ、それはお題としては最悪ってことじゃ…』
『でも回答者三人のうち二人はワタシと付き合いが長いわけだからね、意外とサービス問題かもしれないよ?』
『あ、た、確かに…じゃ、じゃあ…』
『そう…つまりこの問題はあかりさん次第だ。頑張って、あかりさん!』
『ひえっ!?』
な、なんかいきなりオレに委ねられたんですが!?
【この子の変な声すき】
【歌声しか知らなかったけどこんな声出すんだ】
【もっと可愛い声出せ】
【宵の変な声をもっと広めろ】
ど、どう書くべきだ…? てか人が困ってるんだからコメントお前らも変な声とか言ってないでアドバイスとかしろよ! そもそも変な声じゃないし!
『た、たぶんですけど…よ、宵さんが思っている通りに書けば…その、一致すると思います…』
困り果てていたオレへと
となると…。
『お、オレも書けました!』
『いいね。じゃあみんなの回答を出すよ!』
────────────────────────
夜闇メア
────────────────────────
優しくて寂しがり屋さん
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
因幡白兎
────────────────────────
優しい、温かい
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
宵あかり
────────────────────────
すごく優しい人
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
『……正直全員にいろいろ言いたいところだけど…特にあかりさん? なんでそんな言葉が出てきたのかな?』
『え、えと…歌祭りの控室で話した時にすごく優しくしてもらった、ので…こ、こっちのペースに合わせて…話題も話しやすいものを選んでくれたし…そ、その、ありがとうございました!』
しどろもどろになりながらも、あの時言えてなかったお礼を伝える。実際、初対面なのにあそこまで気遣ってくれた人は幽世先輩が初めてだった。
『…ワタシはワタシがその時に話したいと思ったことを話したまでさ。お礼を言われるようなことじゃあないよ』
『わ、わざわざ私と夜闇さんを追い出してふ、二人っきりで話したのに、ですか…?』
『
【いざな優しすぎん?】
【因幡が懐くくらい面倒見いいからなぁ】
【トリックスターは仮の姿】
【宵が話せた真相はこれか】
【あっそういう…】
【気遣いの鬼かよ】
【またいざなの良い人エピソードが増えてしまったのか】
『幽世先輩はとっても優しいですよ。ちょっと寂しがり屋なところもあってそこも可愛いんです!』
『メア!?』
『め、メッセージより通話が好きなのも、相手の声が聞きたいからだって…そ、その言ってました』
『あ、それで…』
オレの時も初手通話だったのはそういうことだったのか。
『……わ、分かった。分かったから。その辺にしておこうじゃないか。人間には様々な側面があるものさ。そうだろう、あかりさん』
『え、えと、はぁ…』
『君に見せた優しさもまたワタシの一つの側面だったというだけのこと。だから…』
『そ、それでも! ありがとう、ございました…!』
『………どういたしまして』
【宵つっよ】
【いざな負けてんじゃん】
【てぇてぇから両方勝ちだぞ】
【しっかりお礼言えてえらい】
【純粋な好意を無下にできないあたりがいざなって感じ】
『本当に思わぬところで…何にしても、一問目は不一致だ』
『三人とも優しいって入ってますしこれは一致じゃないんですか?』
『不一致だ! 私は寂しがり屋じゃないし!』
『ふふ、そういうことにしておきますね?』
こっちが素なのだろうか、こうしてメアちゃん先輩と話す幽世先輩は、なんだかさっきまでよりも親しみやすい感じがする。それはそれとしててぇてぇ感謝…。
『すーはー…さぁ、さっきのは忘れて次へ行こう! 次はメア、君がGMだ』
『分かりました! お題は…私も幽世先輩にしようと思ってたんですけど、取られちゃったので…うーん、じゃあ、あかりちゃんで!』
【メアちゃんマジで宵のこと気に入ってんな】
【さっきのダメなんか】
【宵はわりと難しい気する】
【なんか気がつくとボヤ騒ぎ起こしてる女】
【脊髄と口が繋がってる男】
【顔と声と身体だけはいい女】
【頭オンライブ】
『お前ら先輩達の前なんだからもうちょっとこう…なんかあるだろ!』
てか幽世先輩の時も流れてたけどなんだよ頭オンライブって! 少なくとも幽世先輩よかオレは頭オンライブじゃないだろ!
『あかりちゃんは一回お休みしてもらって…私達三人で回答ですね!』
『ふふ、ワタシ達三人の以心伝心っぷりをあかりさんに見せてあげようじゃないか!』
『ちなみにですけど、お二人とも「か」から始まったりします…?』
『そうだね、ワタシは「か」から始まる』
『えっ、あ、私もです…』
『そうですよね! やっぱり!』
【お】
【これは揃うか】
【まぁ宵は確かに見た目はそうだよな】
【無難すぎる気するけど全員一致させるのが目的だし仕方ないね】
【先輩の威厳を見せていけ】
『では回答出しますね!』
────────────────────────
幽世誘
────────────────────────
からかいたくなる
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
因幡白兎
────────────────────────
感覚が似てる
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
夜闇メア
────────────────────────
飼いたい
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
【あのさぁ…】
【全員擦りもしてねぇじゃねぇか!】
【バラバラすぎる…】
【メアちゃんまだ諦めてなかったのか…】
【以心伝心ってなんだよ(哲学)】
【ゆゆうじょうパパワー!】
『……メア?』
『い、いやだって! と言うか全員揃ってませんし私だけ悪いわけじゃないですよね!? どっちかと言えば因幡先輩の方が一致から遠いじゃないですか!』
『えっ、あっ、す、すみません…』
『あっ、違うんです因幡先輩!?』
【仲間割れ始まって草】
【宵はなんで笑顔なんだよ】
【先輩方の絡みを生で見れて嬉しい顔】
【隙あらば壁になろうとするな】
コメントで何と言われようがせっかくの機会を逃したくないので今しばらく見守るとする。後で三人のコラボのアーカイブを漁ってみることにして…オレって三人からこう思われてるのか。因幡先輩の方もオレと似てると思ってくれているというのは地味に嬉しい。きっとこれを書くのに因幡先輩は相当悩んだはずだ。オレなら自分と一緒にされるのは嫌かなぁ…? と悩みまくっただろうし。
『まったく…すまないね、あかりさん。見苦しい所を見せてしまって』
『い、いえ! 生で見れて良かったです、あ、あとで…い、いや何なら今から過去回も見ます…!』
『それはよかった。あ、見るならお勧めの回があってね…』
【よくない】
【結局一致しなかったし仲間割れまでしてただろ!】
【今から見ようとするな】
【宵はすぐ限界オタク化するのをやめろ】
【なにおすすめしてんだいざな】
【先輩なんだからいざなはちゃんと注意しろ】
『なんだかワタシとあかりさんの時だけコメントが厳しい気がしないかい?』
『そうなんですよね…な、なんででしょうか…』
『なんでだろうねぇ…』
確かに、いつもこうして腹痛に耐えながら配信してるんだからもうちょっと優しくしてくれてもいいとは常々思う。
【ほんまこいつら…】
【さては相性いいなこの二人??】
【メアちゃん所のコメント見てから二人見ると民度の差がエグすぎる】
【こういう時飛び火しないように黙れる因幡はえらいな…】
『気を取り直して次へ行こうか。次のGMは…白兎、任せたよ』
『ひえっ、あ、は、はい…じゃ、じゃあ…お題は…わ、私でお願いします…』
やっぱり因幡先輩は自分をお題にしてきたな。オレもできればそうしたかった!
『先に言っておくけど飼いたいはダメだよ、メア』
『だ、大丈夫です! 今回はちゃんと一致させに行きますから!』
『あかりさんがどう書くかを考えるのが一致への近道だとワタシは思う。おそらく白兎からあかりさんへの回答と似たような感じになるんじゃないかな』
『そうですね、おそらくは…』
『いや…あるいは彼女の配信を見た感じだともしかすると…』
二人は作戦会議といった様子でお題の答えを相談し合っているようだった。お邪魔にならないようそっとしておくとして…オレはどう書くべきか。因幡先輩がオレと感覚が似ていると言ってくれている以上、オレもそう書くべきか。でもなぁ、先輩から後輩へのオレ達似てますね! と後輩から先輩への似てますね! は同じではないよね…。後者はちょっと相当仲良くないと失礼にあたるのではないだろうか(名推理)
よってここはみんなが思いそうな無難な所に落としておくとしよう。オレ完全一致ゲーム分かってきたかもしれない…!
『み、みなさん大丈夫ですか…?』
『OKだよ。今回はイケると思う』
『私もおっけーです!』
【そろそろ一致を見せてくれ】
【宵の自信満々な顔が…】
【嫌な予感しかしないんだよなぁ】
『で、では…回答を出します…』
────────────────────────
幽世誘
────────────────────────
少し垂れてる耳が可愛すぎる
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
夜闇メア
────────────────────────
垂れ耳が可愛い
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
宵あかり
────────────────────────
イメージに反して高身長なのと
憂鬱げな表情がおセンシティブ
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
【ええ…】
【宵お前よぉ!!】
【センシティブも褒め言葉じゃないという事を理解しろ】
【二人がそこそこ宵をトレースしてきてるのが余計に草】
【そういう方向だったのは間違ってなかったが…】
【こんなん予想できるわけねぇだろ!】
【あかりくん完全一致ゲームって何か知ってる??】
【これを見に来た】
『え…いやでも実際因幡先輩見たらそう思うだろ!?』
『ええ…』
『正直私はちょっと分かります』
『ひえっ…』
【因幡完全に怯えちゃってる…】
【自分に似てる人だなぁと思って近づいたんだ。恐ろしい人だった…】
【いざながドン引きしてるの初めて見た】
【メアちゃん…?】
【メアちゃんも…メアちゃんもオンライブだから…】
【でも確かにちょっとわかる】
かなり一般的な方向を目指したはずだが正解はお耳の方だったのか…。てかこのゲーム難し過ぎない?? さっき一瞬完全一致ゲームの真髄を掴んだ気がしたけど、今はもう何も分からん…。
『…と、時間的に次で最後かな。GMはあかりさん、よろしくね』
『あっ、は、はい!』
話しながらもちゃんと時間を確認していたらしい幽世先輩がオレへお題を出す役割を渡してきた。宵あかりオレ…はもうお題には使えないので別の人を選ぶ必要があるのだが…だ、誰がいいんだろう…?
あまり悩む時間もないはずだが、三人は軽く話しつつオレに考える時間を与えてくれているようだった。こういった所の手慣れている感じはやはり先輩なんだなぁ、と思わせてくれる。更に少しの時間考えて、結局オレは、オレの中で一番イメージがしやすい人を選ぶことにした。
『き、決まりました。お題は…百々ちゃ、
『獣王さんだね。よし…さすがに最後くらいは真面目に一致させようか。みんな分かってるね?』
『控室でのあの様子を見たら、みんなきっとこう答えますよね!』
『えっと…たぶん私も同じだと思います…』
先輩方は書き終わったらしい。オレも迷わず書くことができた。
『それじゃああかりさん、みんなの回答を出してくれるかい?』
『は、はい!』
────────────────────────
幽世誘
────────────────────────
ママ
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
因幡白兎
────────────────────────
ママ
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
夜闇メア
────────────────────────
ママ
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
────────────────────────
宵あかり
────────────────────────
ママ
────────────────────────
✓ ▲ ▲ ▲ ▲ □ ← →
────────────────────────
【ようやく一致したか…】
【8888888888】
【長い戦いだった…】
【先輩達にもママとして知られる百々ちゃ】
【百々ちゃはそうだよなぁ】
『じゃあなんとか一致させられたところで今回のコラボはここまで! いつになるかはまだ未定だけど、獣王さんも呼んで、次回は五人でコラボしたいね』
『さすがにこれは外さなかったですね』
『よ、よかった…』
『というわけで、正解したみんなと、貴重な正解を出させてくれた獣王さんにはワタシ特製のフィギュアを送るよ! 最後にあかりさん、いつもやってる終わりのじゃなーを!』
『うぇっ!? え、えと、じゃ、じゃなー!?』
◇
この配信は終了しました
【オンライブ】先輩達と初コラボする枠【宵あかり視点】
⤴1575 ⤵ ➦共有 ≡₊保存 …
宵 あかり
チャンネル登録者数 25.3万人
23,190 人が視聴中・〜分前にライブ配信開始
#アカリウム #オンライブ
宵あかり視点です。なんか公式視点があるらしい→(@ONLive)
◇
配信が終わり、一息つく。先程までの賑やかな声達に変わって、今は3Dプリンターの動く音だけが、室内に響いていた。
「…あぁ、そうだった」
スマホでメッセージの確認をしていて、ふと思い出す。そういえば、姉さんから頼み事をされていたのだった。
日曜だし、さすがにもう会社ではなく自宅にいるだろうか。そんなことを考えながら通話をかける。
『お疲れ様! どうだった?』
繋がるとすぐ、姉さん…
私は今日の配信から感じた、彼女の印象や反応なんかを私の意見も交えつつ率直に語った。うんうん! とオーバーリアクション気味に姉さんは相槌を打っていた。
「…そんなところかな。
『初配信の時を思い出すなぁ。あの子の良い所だね。…うん、分かった。ありがとう』
「じゃあ三期生からは彼女が?」
『うん。ちょっと他の人とは違って一工夫するつもりだけど、宵あかりさんに任せるよ』
もう一度ありがとうね、と言って足早に姉さんは通話を切った。…これを知った時の彼女の反応が今から楽しみだ。きっと慌てふためくが、最後は歌祭りの時や、今日の配信のように、諦めて全力を尽くすのだろう。
「やっぱり、彼女を選んだ
本当に珍しく、ほのかに笑顔を滲ませていた彼女の姿を思い出す。永遠さんがなぜ彼女を気に入っているのか、また少し分かったような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます