24『【緊急オフコラボ】お勉強教えてもらう枠【宵あかり/秋風紅葉】』

#アカリウム #オンライブ

【緊急オフコラボ】お勉強教えてもらう枠【宵あかり/秋風紅葉】

11,819 人が視聴中・0分前にライブ配信開始

⤴779 ⤵ ➦共有 ≡₊保存 … 

宵 あかり 

チャンネル登録者数 84,277人



『お、おーす、よいあかりだぞー…』

『あ、秋風あきかぜ紅葉もみじだ! 今日もよろしく頼む!』


¥3,000

【オフコラボ!?!?!?】

【宵がお勉強とかマジ?】

¥1,500

【この組み合わせはマズい】

【宵がんばえええ】

【紅葉宵の胸はどうだ!??】


『むっ胸!?? …そ、その…す、すごく大きい…と、思う』

『あっ秋風さん!??』

『あっいや、すまない!?』


 さっきからじーっとオレのことを見てたと思ったら胸見てたのかよ!? まぁ、オレもこの身体になってからすぐは鏡見る時とかガン見してたけども!


【百々ちゃに次いでこーよーからも証言が得られたか】

¥5,000

【デカ宵感謝】

【初手からトバしすぎじゃない??】

【宵拾うコメントはちゃんと選べ】

¥200

【うちの宵がご迷惑を…】


『今のはオレが被害者なんだが???』

『…本当にすまない…』

『あっ!? いや、全然気にしてませんから!』


 真面目に反省している様子の秋風さんをフォローしつつ…あれ? なんでオレの方がフォローしてるんだっけ??


『えー…というわけで今日は、秋風さんから勉強は教わっていくぞー!』

『ま、任せてくれ! 勉強だけは得意なんだ!』


【宵大丈夫か??】

【むしろ紅葉だろ】

【宵はポンだからなぁ…】

【ぽんこつコンビ】


『誰がぽんこつコンビじゃい!!!!』

『誰がぽんこつコンビだ!!!!』


 コラボの時はそれなりにコメントの治安が良くなるはずなのだがまるで遠慮がない。

 今回は秋風さんのチャンネルでは配信せずオレの方のチャンネルだけで配信しているから、おそらくは秋風さんのリスナーさんもこっちに来ているはずだが…いや、むしろそれが原因か…?


『そ、それで今日は何から…』


 とりあえず頭からコメントの治安の悪さを追い出して、話を進めることにする。人間見て見ぬふりは生きていくうえでかなり重要だよね。


『あ、ああ! そうだな…あかり、君は何の科目が一番苦手だ?』

『苦手科目…』


 正直ほぼほぼ全部苦手なんだが、強いて言えば…


¥1,000

【数学でしょ】

【数学というか算数というか】

¥400

【宵は算数から学ぶべき】

¥300

【苦手科目しかなさそう】

【スパチャの桁が分からない女】

【スパチャの桁が出てこない男】

¥12,000

【数字よわよわ♡ 算数からやり直せ♡】


『数が…お、お前らなぁ…!!?』


 誰が算数から学ぶべきだよ!!

 とっさに数字見せられると分からないだけでちゃんと見れば桁くらい分かるわ!


『数学か…なるほどな。逆に得意な科目はあるか?』

『え、と…国語なら多少は…』

『そうか。国語が得意なのは良いことだ。問題文を読み解く力はあらゆる科目で役に立つからな』


【紅葉がちゃんとしてる…だと…】

【こーよーがまともすぎる】

【宵は国語もあほあほだと思ってた】

【宵は漢字苦手そう】

¥8,000

【紅葉派とこーよー派の溝は深い】


『私はこーよーではなくもみじだ!!』

『誰があほあほだよ!!』


【また共鳴してて草】

【過去一相性良さそう】

¥1,900

【つまり「あきよい」か】

【あきよいの波がキテる】


『…ふー…よし、あかり。こいつらは放っておいてさっそく勉強を始めよう』

『あっ、は、はい…』

『まずは…そう、復習から入るべきだな。知っている部分も多いだろうから退屈かもしれないが…』


 そう言って紅葉さんが手渡してきたタブレットにはズラッと問題が並んでいた。え、えーと…


『て、展開…?』


 て、展開…?? どんなんだっけ…?


――――――――――――

次の式を展開しなさい。


3x(2x + y)

――――――――――――


【おっと…?】

【一問目から不穏すぎる】

【なんだっけ展開って】

【懐かしすぎるだろ】

【やっぱ算数からか??】


『て、展開くらい知ってるわ! ちょっと待てよ思い出すから!』


 なんとなーくやったこと…というか聞いたことはあるからできないことはないはずだ…!

 た、確か…


『こ、こんなんだっけ…?』


――――――――――――

次の式を展開しなさい。


3x(2x + y)


=6xx + 3xy

――――――――――――


【6xxは草】

¥20,000

【6xx!?!?!】

【これ違うんか??】

¥200

【二乗しろ宵】


『に、二乗…? 二乗ってなんだっけ…?』

『xの右上に小さく数字が付いてる式を見たことはないか?』


 見かねたらしい秋風さんがそっとアドバイスをしてくれた。

 あーあれか!


――――――――――――

次の式を展開しなさい。


3x(2x + y)


=6x 2 + 3xy

――――――――――――


『こ、こう…?』

『うん、正解だ』


【さすが】

【やるやん】

¥2,012

【人間にとっては小さな一歩だが宵にとっては偉大な一歩だ】

【アームストロング船長もVの配信見るんすねぇ】

【最近の天国はyoutubeも繋がるのか…】

【唆るぜ、これは!】


『あかりの現状はよく分かった』

『あ、あの…秋風さん…?』


 そう言った秋風さんの表情は何故か笑顔だった。と、同時にいつものごとく嫌な予感がする。

 具体的に言うとこのままだと休みなく勉強し続けることになりそうな気がひしひしと。いや、それこそが主目的なのは分かってるよ、分かってるけども!


 …そ、そうだ!


『あ、秋風さんってなんで勉強が得意なんですか?』


 少しでも先延ばしにできるよう、そして少しでも勉強時間を減らせるようにと願いを込めて軽い話題を振ってみる作戦である。また一歩、コミュ障から成長できた気がする。まぁオレじゃあまともに話を膨らませることはできないだろうから、せいぜいこれで稼げる時間なんて数分くらいだろうけど…。

 などと考えていると、秋風さんが置いてあった手帳を手に取り、パラパラパラーっとすごい勢いでページを捲っていった。


(ええ…?)


 困惑するもつかの間、じっと見ていたオレに気が付いたのか、秋風さんと目が合った。


『ち、違うぞ!? いつもこうというわけではないんだ! ただ今日はその、いつも以上にしっかりしないといけないと思って…!』


 直後、何故かわたわたと言い訳を始める秋風さん。…なんだかこの秋風さんの姿を見ていたらすっかり緊張が解れてきた気がする。


『…えと、気にしないでください。しっかりするのはすごく大事だと思います』


 ゆっくりで大丈夫ですよ、と続けて目線をコメントの方へ移してみれば、結構な速度でコメントが流れて行っていた。ええと、なになに…。


【お前本当に宵か?】

【まさか宵にバブみを感じる日が来るとはな…】

¥5,000

【これがまだデビューしてなかった宵あかりって子?】

【宵(姉)】

¥200

【ママに代わってもらうな】


『本人だよ!!』


 なんで今のちょっとした会話で別人疑惑が出るんだよ。確かに今のはちょっといつもより落ち着いて話せた自覚はあるけども!

 コメントと殴り合っていると、秋風さんの方も手帳のカンペが見つかったのか話し始めたのだった。


『私は学級委員長だからな。学校生活を過ごしているとクラスの友人からもよく勉強を教えてくれと言われるんだ』

『なるほど…』


 そういえば秋風さんのVとしての設定はそんな感じだったっけ。

 いかにも委員長然としたキャラクターは今目の前にいる秋風さん本人を見てもよく合っている気がする。…えっ、お前はどうなんだって?? あれはオレのせいじゃないし、止めなかった運営の人達が悪いと思います。


¥50,000

【頼れるクラス委員長。相談事や悩み事を解決し、友達も多い。】

【こーよーの公式紹介文初めて見た】

¥1,000

【頼れる…?】

¥3,900

【相談事や悩み事を解決…?】

¥200

【友人も多い…?】

【訝しむのはやめな】


『ゆ、友人はこれでも多い方だ! 本当だぞ!?』

『ど、どうどう』


 コメントとヒートアップし始めた秋風さんを落ち着かせようとしていると、いつの間にやらコメントの矛先がオレの方へと向いていた。


¥9,999

【太陽にだって負けないくらい輝いてみせるから!】

¥17,000

【太陽にだって負けないくらい輝いてみせるから!】

【二連公式紹介文来たな…】

【禁止カード出すな】

【互角…と言ったところか】

【やっぱこれだね】


『お前らなぁ…!!』

『ま、待てあかり。一旦落ち着こう、な?』

『け、けどこいつら…!』

『そ、そうだ! さっきは待たせてしまったすまなかった。以前、私のメモが配信で映ってしまったことがあっただろう?』

『えっ、あ、はい…』

『あれ以来、操作を誤っても映ってしまわないように手帳とか、あとは付箋とかを使うようになったんだ。これなら見られてしまうことも…』

『あ、秋風さんっ!?!?』


 それは言ってはマズいやつなのでは!?!?


『な、なんだいきなり大声を出して…っ!?!?!』


 自分の言葉にようやく気がついたらしい秋風さんのお顔が真っ赤に染まっていく。

 …そしてもちろんコメントの方も…


【言わなきゃまずバレなかったんだよなぁ】

【はいポン】

【ドヤ顔ポンコツムーブほんとすき】

【こーよーお前!!?!?!??!】

【自信満々に言ってたのが面白すぎるだろ】

【これはこーよー】

【魅せてくれたな秋風紅葉!】

【あの宵を唖然とさせる女】

【宵超え】


『…もういっそ一思いにやってくれ……』

『だ、大丈夫! 大丈夫です秋風さん! ほ、ほらオレもたくさんやらかしてますから! 一人じゃありませんから!!』

『ありがとう…でも違う、違うんだ…あかりと私は…だってあかりはそれを武器に出来てるじゃないか。私は、私は…うう…』


 半泣き状態の秋風さんとは打って変わってコメントの方はお祭り騒ぎである。オレのコミュ力では上手いこと慰めることなど望むべくもなく、遂には秋風さんは顔を隠すように机へ項垂れてしまい、時折「うう…」という言葉未満のうめき声のみが漏れ出していた。


 …ええい、もうなるようになれだ!!


『よ、よしよーし?』


 そっと、おっかなびっくり秋風さんの頭を撫でる。イメージするのは獣王ししおうさんがオレにやってくれる時のような感じだ。

 効果があったのか、徐々にだが漏れ出していた声が静かになっていく。よ、よかった…と安堵したのも束の間、秋風さんが項垂れた姿勢のまま、


『…もう少し優しく頼む、あとできたら背中も優しく撫でてくれ…』


 などと、追加のオーダーを出してきた。ええ…。

 しかしこの状態の人の頼み事を断るのもアレだし、というか始めたのはオレの方だし…。


『え、えと、こうですか…?』

『ああ…それと頑張ったねって言ってくれ…甘やかしてくれ…』

『が、がんばったね…?』

『うう…』


 もう配信中であることをすっかり忘れてそうな秋風さんを何とか宥めていると、どこからかやって来たスタッフの人から「終わりましょう」とそっとメモを出された。

 いやこの状態で?? 終わっていいの???


『じゃ、じゃあえっと…秋風さんがちょっと限界だからこれで終わるぞー? じゃ、じゃなー』

『ううう…ぐすっ…ままぁ…』

『ヒェッ…』



この配信は終了しました

【緊急オフコラボ】お勉強教えてもらう枠【宵あかり/秋風紅葉】

 18,933 人が視聴中・〜分前にライブ配信開始

 ⤴2599 ⤵ ➦共有 ≡₊保存 … 

 宵 あかり 

 チャンネル登録者数 89,548人

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る