高島くん 迷い摩天楼編
まめでんきゅう–ねこ
第1話 傷
大雨の日の東京都目黒区の平凡な学校の平凡な教室で大男と
「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、ぶん殴らせろぉぉぉぉ」
「やだよ!それになんでよりによって僕なのさ」
「うるさぁぁぁぁぁい、ぶん殴らせろと言っているんだぁぁぁぁぁぁ」
「高島!逃げろ!」
誰かが叫んだ。高島ははっとし、外へ逃げた。
「俺から逃げられるとでも思ったか?
すると、高島に向けてパンチした。幸い当たらなかったが、高島は転んでしまった。
「ふ、
「さぁ、殴られるがいい!!!!!!」
もうおしまいだと思った高島は目を瞑った。が、大男の拳が高島の顔を当たる瞬間、何故か拳が止まった。
「あ、あれ?」
「しまった!や、ヤベェ、早く逃げなきゃ…」
もう遅かった。大男は体を動かすことができなくなった。
「こら!
先生が来た。
「す、すみません!!!!!!み、見逃して…」
「校長先生が……お呼びだ」
「え…………終わった…………」
出火男は先生に連れて行かれた。高島ははっとした。
「おい、大丈夫か?」
「まあ、なんとかね。ところでなんで出火男のパンチが止まったんだ?」
「ああ、あれは先生の能力だよ」
「え、あの先生って能力使えるの?」
「らしいよ。ってか、お前も能力使えるじゃん」
確かに高島も能力は使えるが、あまり強くなく、出火男が本当にいきなり来たため、忘れていた。
「そういえばそうだった」
冒頭で平凡と言ったが、全然平凡ではなかった。この世界では、人口の50%はなんらかの
「おい、怪我してるぞ?」
「本当だ。保健室行ってくる」
放課後、まだ雨が降っていた。
「あ、傘忘れた。まあいいか」
傘を忘れた高島は雨に濡れてしまったが、あまり気にしなかった。
「早く家に帰ってテレビ見よ!」
家に着いたが誰もいない。リビングのテーブルに置き手紙があった。
「今日は遅くなるのでシチュー食べておいてね」
手紙に書いてある通り、キッチンにシチューがあった。高島はテレビを見ながら食べたが、何故か食べた気がしない。量は多いはずなのに。
仕方なく高島は野菜炒めを作ろうとした。包丁で野菜を切っていたら、なんと指を切ってしまった。
「痛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
あまりの痛さに飛び上がって、天井に頭をぶつけてしまった。
「痛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!(2回目)」
「な、なんだ?虫が降ってきた」
なんの虫か確認しようとよく見てみると、なんとゴキブリだった。しかも結構大きな奴!
「………ギャアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
反射的に飛び上がって、後ろのタンスに背中をぶつけてしまった。
「痛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!(3回目)」
暴れながら絆創膏を取り、指に貼ろうとしたら、なんと傷は治っていた。
「な、ナンデダァァァァァァァ!!!!!!」
衝撃的な展開に思わず後ろに倒れてしまったが、やはりタンスに頭をぶつけてしまった。
「痛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!(4回目)」
少し落ち着いて、指をよく見てみると、本当に治っていた。
「な、なんでよ……」
気味が悪く感じた高島は、考えることを諦め、寝た。簡単に言えば
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