012 全員で島上陸

「何も悪い事してないよな?」


 王「宰相扉を、閉めよ」


 宰相「はっ!」


 仕方ないので一番良さげな一人掛けのソファーへ、ボスッと座る。


 テーブルの上に美味しそうなお菓子があったので、一ついただく。


 スライスアーモンドみたいなのをクッキー生地の上に敷き詰めてキャラメル? ぽいのでコーティングしてある。美味いような無いような······クッキーなのにバター無しなのかな?


(のどが渇いたからナビ先生、今日は鍛冶行けないみたいやから美味しいのお願いします)


『どうして先生ですか?』


(良いのを探してくれるし!)


『何か話したそうですよ』


(ぶーぶーお酒下さい、ウイスキーがいいな)


『一本だけですよ、ポイントしました、お話聞いて上げたら』


(ありがと)


 だるまさんのウイスキー! 定番だよね。

 ぐびぐび


「何?」


宰相「先程のは何なのですか」


 やっぱり見逃してはくれやんかぁぁ。


「先ほどの事?」


宰相「私の前から消えました」


「あぁ、内緒です」


宰相「なっ、では貴方を拘束して拷問してでも聞きますよ」


「もう帰っていい?」


宰相「この部屋から出れません! 結界を、張ってあります!」


「王さん、この国から皆連れて出て行くよ」


王「なっ、それはさせん!」


「ナビさん皆の位置表示お願いします」


『はぁ、仕方ないわね』


「ごめんね、ん、十七人確認、とりあえず島かな?」


『あそこが一番よいですね、後、皆様の持ち物もポイントつけました』


「ありがと」


王「お主、誰と喋っておる」


「今から出てくのに言う訳無いと思わない?」



 立ち上がり、もう一口ウイスキーを口にふくみ喉に流す。


王「念話か?」


「俺、だいぶ妥協してきたよ、俺が護らなければいけない子供達に自由意志って事で選択させたのだって、あんたらが困ってるからだよ、で、まだ俺に強要するんだろ? そんなの出て行くよね、仕方ないわなぁ、王さんあんたはどんな考えだ?」


王「······」


「分かった、部屋に塩入れとくから商人さん渡してね、お金は俺の冒険者のギルドプレートに入れてねって伝言頼むよ。パラミスにごめんねってのも頼むわ」


 十秒後待ち、返事がない、二人は黙ったままだ。


「転移!」


 パッ




セバス「うぉ! いきなり現れやがって酒は!」


「おぉ、すまん、飲みかけと、二本出すよ、で悪いけど修練中止やねん」


セバス「何があった······いや、ええわ、あのクソガキだろ、高い所で偉そうにしやがって」


「すまんな、あんたとはアルバトもやけど楽しく飲めたのに残念や」


セバス「出てくんやな、俺も冒険者に戻るか······アルバトの爺と、ギルドのアルト知ってるかあいつも引っ張る、エルフのばばあと、錬金術のは弱いからなぁ、だがあのやる気は買いだな、商人マスは後から来てもらってまぁ、お前らと居るとぜってぇスゴい事になる、二週間後魔道王国ダンジョンの街だ、場所は、“執事王の家” って酒場で俺の名前と、この針を赤髪の婆さんに、それでわかる」


「ええ男やな、待ってるわ」


セバス「あ? 俺のが早よ着くに決まってるやろ! じゃあな!」


聖「何かあったの?」


「家出するぞ、皆の準備は?」


紗々「うふふ、怒らせちゃったのね」


聖「あははぁ~よし! 荷物まとめるね」


葉月「家出初めてですの! カニですの! 円ちゃんカニ背中に乗せていいですの? ありがとですの!」


「俺、三葉拾って来るよ、扉は開けないでね、転移」

 パッ


「こんにちわ、ギルドマスターに教えている三葉の旦那 なのですが急用で話さないといけないのですが取り次いで貰えますか?」


受付嬢「少々お待ち下さい」


 何やらカウンターの上の所にボタン? でっぱりがありそれに触れながら、インターフォン?


受付嬢「ギルドマスター、三葉様の旦那様がお見えですが」


三葉『旦那様じゃと直ぐ行く』


受付嬢「直ぐ来られるみたいですね」


「はい、すいません急に来てバタバタしてしまいまして」


受付嬢「大丈夫ですよ、凄く可愛らしい奥さん良かったですね」


「照れますね(苦笑)、まだ最近なのでまだまだこれからですよ」


受付嬢「うふふ、実は私も最近なので楽しくて」


「うわっ! おめでとうございます! こんな美人さんの奥さんなんて旦那さんがうらやましいですよ」


受付嬢「いやですわ(笑)、一緒の時間が長くなると色々発見出来て楽しいですよね、ちょっとした仕草とか自分ならこうするのに何でそうするの? とか毎日が驚きの連続ですよ、デートでは食事にパンを、付けていたのに、実は米好きだったり、トイレの紙は最後折り曲げてあったり、足が臭いのには参りました(笑)」


「(笑)俺も足臭いかな? しっかり洗います、トイレ俺もたまにやっちゃいますね、折り紙にしてたら怒られましたし、俺も米好きですよ、これは前からずっとですけどね」


受付嬢「うふふ、あっもう来ますね、あの扉は近づくと上の所が光ってドア前からのいてね、って教えてくれるの、ほら」


「ほんとだ! 急に開くとビックリしますよね」


受付嬢「来ましたマスターも一緒ですね」


「ありがとうございました、待ち時間があっという間でした」


受付嬢「いえいえ、こちらこそ、では」


 奥から出てきた三葉と錬金術士の三葉のお弟子さんの元に歩み寄る。


「すいません急に伺って」


弟子「災難でしたね、セバスから連絡ありました」


「なるほど、では、また今度・・ですかね」


弟子「はい、楽しくて仕方無いです、ではまた」


「はい、俺も楽しみにしておきます。三葉行くよ」


 内緒にしてねとお願いして転移。

 パッ


三葉「ただいまなのじゃ」


「戻ったぞ」


「「お帰りなさい!」」


 ガンガンガンガン


「来てるね、じゃあ円ちゃんの近くに、向こう夜だから気を付けてね、転移」

 パッ


 ドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサ·················バキッバキッバキッバキッ



兵士「部屋から白い粉が!」


兵士「どうなっている! 掘り起こせ!」


兵士「応援寄越すように伝令!」


商人「待って下さい! それは塩です! 私が買い受けた物です! そこ! 踏まないで下さい! 塩がいくらか知らないのですか!」











 ◇魔法戦闘職


シンディ「はぁ、そろそろ一旦お別れね」


「王様も宰相様も馬鹿ですね」


「「うんうんうんうん」」


「二週間後になるけどまたね」


「「はい!」」

 パッ



シンディ「よし! 準備しなきゃ!」















 ◇戦闘職


傭兵「商人の言ってたのは本当か」


冒険者「だろうな」


傭兵「王もなにやってるんだ」


「訳わからないけどごめんなさい」


「用務員があこまで怒ったからな」


「用務員って町のヤクザやさんに謝られてたよね」


「あれ、違法駐車してたから怒ったらしいよ」


「間違った事はダメか、中々出来ませんね」


「ケッこれからって時に」


「俺ならヤれる筈が」

 パッ





冒険者「行ったな」


傭兵「俺はこの国出るぞ、傭兵団の事が一番だからな」


冒険者「俺も師匠について行くつもりだ」


傭兵「報告行くか」









兵士「支援職の部屋が塩で埋まってるとの事です」


兵士「錬金術ギルドマスターから、三葉様が消えたとの連絡がありました!」


兵士「魔道士グランマスターから魔法戦闘職五名消えたとの事です」


兵士「冒険者·傭兵ギルドマスターより戦闘職七名突如とつじょ消えたとの事です」


メイド「執事·メイドギルドマスターから、“今度シバく!” との事ですが不敬罪で」


王「よい、放っておけ、ご苦労皆下がれ」


「「はっ!」」


王「間違ったな······」


宰相「はい······」


 カチャ


王妃「貴方、パラミスとパミュが」


王「二人が、どうした」


王妃「出ていくと」


王「なぜだ······」


王妃「一旦私の実家に」


王「ああ、騒がしくなるからその方が良い、シロも連れていってくれるか?」


王妃「二人が、寂しがらないように」


王「ああ」





王「貴族達は集まったか?」


宰相「はっ」


王「王命で兵を立て、魔物に挑み続けるだけだな、あれも許可がない限り教える事も出来ん医療の方もだ」


宰相「はい」


王「いつか謝らんとな」


王妃「全然出来てませんでしたね」


王「ユタ殿の話しは、当然の事をしようとして来た、させなかったのは我々だ」




王「良し、まずは原因の一ついや、二つだなあの親子の追求、ユタ殿の辺境伯だな、島がどこのだがわからないが、転移か、最初から協力する気が無かったら初日に居なくなっていたはずだ」


宰相「他国に情報を流します、冒険者ギルドは使う感じでしたのでそれを追います」


王「一番はダンジョンだろうな重点的に」




「良し行くぞ」





 ◇謁見場


王「皆の者すまぬな先日も来て貰った所だと言うにまずは宰相」


宰相「はっ!」



宰相「まずは、新たな辺境伯の誕生です」


 ざわざわ


王「お静かに、既に他国への特使として派遣されておる、その者への不敬を、働いた者が居ます」


 ざわざわざわざわ


 『新たな辺境伯?』『そんな奴が居るのか』『誰だ?』『この中の誰かなのか!』


 ざわざわざわざわ


宰相「お静かに、ハーゲ男爵嫡男テール前へ」


 皆はあいつなのか? と疑問の目線を向ける。


 テールは、俺が辺境伯なのか! と笑いが漏れそうになりながら返事をした。


テール「はっ!」


宰相「ハーゲ男爵嫡男テール、本日王都内にて自らの戦力を持って一個人を囲みハーゲ男爵領地を掛けた決闘を挑み敗北」


 思っていた事とは正反対の事を言われ困惑した表情に急変する。


テール「まっ、待って下さい! それは取り下げる予定です!」


ハーゲ「テール貴様何をしておる!」


宰相「静まれ!」


王「決闘は受理されており、結果報告書も手元にある、ハーゲ男爵領改め、その者の領地とする」


テール「待って下さいませ!」


王「待てぬな、決闘の受理、結果報告書、王である自身でも覆せない事柄だ」


宰相「ハーゲ男爵前へ」


 まさか呼ばれるとは思っていなかったため、間抜けな声が出る。


ハーゲ「は?」


宰相「ハーゲ男爵前へ!」


ハーゲ「はっ」


宰相「本日、四名の者を使い王城に荷を下ろす仕事をしている老婆と少女を人攫いするべく向かわせた者がおる、先の者が駆けつけその四名を捕縛、依頼主に繋がる決定的な証拠もたずさえておった」


王「申し開きはあるかハーゲ男爵」


ハーゲ「······」


王「無い様だな、ハーゲ男爵、男爵剥奪、私財その他全ての没収、一族全て犯罪奴隷とする!」


宰相「新たな辺境伯は、先日召喚された者の一人、鍛冶士職のユタ辺境伯、訳があり国外へ出られており、直ぐの合流は難しいがいずれは、元ハーゲ男爵領も跳び領地となるがユタ辺境伯領となります」




宰相「王よ」


王「うむ、ユタ辺境伯への婚姻だが二年後となる妻となるのはパラミス、パミユ両名の予定だ」


貴族「王よ、私は反対です、他の者のへの信頼も無い者が」


王「ユタ辺境伯は、この国に無くては成らない! 決定は覆らんが、まだ何か有るものはおるか?」


貴族「では、私はこの国を出ます」


王「分かった、では、爵位剥奪、私財その他全ての没収とする、宰相動け!」


貴族「なっ! そこまでするのですか!」


王「やらねばならん! この国を救えるユタ辺境伯にこの王位譲らねば成らぬからな、今日より全ての領地の一斉精査を、行う! 罪が出れば罪を問い、無ければ手厚く援助する! ユタ辺境伯が戻られるまでに清浄な国作りを、行う」



王「王命である!」



王「全ての罪を隠さず晒せ! 良き経営をせよ! 罪を犯すな! 永続である!」




 様々な罪が出、償い良き領地領主が力を合わせ数年で強国へと発展していく。



















聖「ふわわっ!」


「「きゃ」」


「光りほいっと! こっちもほいっと! まとめてほいっと!」


 暗闇から、光の玉があふれ出し辺りがスッカリ昼間の様に


「到着! お疲れ様!」


聖「見えてる以外真っ暗だぁ~! 林の中?」


葉月「あっ! カニさんがまたいましたの!」


紗々「あのカニさんって足まで広げていると大きさがさらにパワーアップですね!」


三葉「ふむ、果実林じゃの」


「あっ! 砂浜のつもりだったのに、円ちゃんの背中のカニ見たらこっちに来ちゃったよ(笑)」


聖「ここだと皆は無理っぽいねぇ~」


紗々「そうね、砂浜は?」


三葉「砂浜はやめた方が良いぞ、潮の満ち引きがここに有るがどうかじゃが、どこまで波が来るか日によって違うからの」


葉月「朝のカニさんより小さいですの!」


(ナビ、開けた所あるかな?)


『ありますね、砂浜ですが草の生えた場所があって、森までも少し間がありますから今夜は良いかもです』


(ありがとう)


「カニさんのご飯かもね、果物あるのに下には落ちて無かったし、も~一回転移するね! 円ちゃんの近くに、転移!」

 パッ


「真っ暗! 光りは移って来なかったか」


「「光り!」」


「ありがとう、砂浜と草原、今夜のキャンプ場です!」


紗々「ここなら皆が来ても良さそうね」


三葉「うむ、これだけ草が生えておればめったに潮は満ちてはこまい」


聖「潮の音がキャンプ感バッチリだね! 葉月ちゃんカニさん連れてきたの?」


葉月「捕まえた所だったですの······」


「この子はまだ小さいから戻すか、葉月、逃がしてあげようねかして、転移!」


葉月「戻れましたの?」


「ちゃんと戻ったよ」


葉月「良かったですの!」


「さて、皆を呼ぶにはも少し、土魔法使えたらなぁまぁ、仕方無いか! 良し呼ぶよ! 転移!」


女子組「「きゃっ」」


男子組「「うわっ」」


「「いらっしゃい!」」


「「いらっしゃい、まず、ここは島です!」」


 魔法戦闘職組······女の子組でいっか! 女の子組と、男の子組はまだ呆けている。


「王さんと、宰相さんに愛想が尽きたので逃亡となりました、皆ごめんなさい、ここの安全は、まぁ、大丈夫なので、まずは落ち着いて聞いて下さい。この島は召喚されてすぐに見つけた所でこの星の裏側? になるのかな? 時差みたいなものであっちが昼間でこっちは夜くらい離れてるから追手は来ないです」


「島の住人も居ません、しばらくここで生活するか、アマルファス王国以外の国へ移動したいと思います」


 聞いてくれてるね。


「俺たち、わーるどじゃんぷは、魔道王国へ行くつもりだが、皆は出来れば一緒に行動して欲しい、そこでは召喚者の身分を、隠して生活して貰いたい、明かすなら帝国か教国は、勇者欲しがってたからましだと思うが女の子組は、帝国は、やめてね女性は暮らしにくいみたいです、男の子にはある意味? 良いこともあるかも? 後、獣王の国は、試合の申し込みが殺到するらしいので男の子組は、戦闘狂なら天国かな、女の子組は、普通に暮らせるかも、教国は、神様馬鹿にした事をしなければ一番暮らしやすい、魔道王国は、一番治安が悪い、喧嘩、窃盗当たり前だがダンジョンだ、このRPGみたいな異世界、憧れたからってのもあるが、三葉と葉月が行きたそうってのもあるかな、で俺達は決めた、皆もパーティー単位で話し合って下さい、宜しくお願いします!」


 組別に集まり話し合っている間に。


聖「お昼ご飯必要だよね?」


葉月「何作りますの? 任せて欲しいですの! カニさんですの? お鍋無いですの······」


三葉「鍋はある! 葉月が欲しがろぅ思うて持ってきておいたぞ!」


葉月「寸胴鍋ですの! 茹でガニさんですの!」


「すまんがバーベキューかな、塩味だけだけど」


「「バーベキュー!」」


聖「アミとか鉄板無いよ?」


紗々「焚き火で? 時間がかかるって聞いたことありますが」


葉月「難問ですの」


三葉「石焼きじゃな」


「俺もそれだと考えてた」


三葉「やったからの、魚開いて、美味かったのじゃ」


「「石焼き!」」


「なので寸胴鍋さんカモン!」


三葉「よくわからんが、ほれ」


「ここに、この前のイノシシさんを良い感じにスライスした状態でっとその前に虎鉄達、寸胴鍋綺麗にしてくれる?」


 虎鉄達の前に持ってくと一瞬だ、少しあった焦げまで無くなった。


「ありがとう、でここにお肉をドン! で日本酒を入れます! 蓋をして完成!」


葉月「ほわっ! 臭み消しですの! お葱や生姜、ニンニクさんもあればさらに良いですの! 無いですの?」


(ニンニクはナビ)


『無いわね、焼肉のタレ二十四本と、お皿は百枚ほど有りますね、鉄板9mm 1500mm 500mm 十枚、炭も有りますが』


(マジですか! タレは一ケースかな、鉄板は微妙に細長いがOK、炭は凄く助かるよ! 薪だと煙が凄いからなぁ、ありがとう、ほんまにあの元魔道士長ナイスだな)


「ニンニクは無かったけど、焼肉のタレありました! 鉄板も、炭も、やったね!」


「「完璧!」」


「では、大きめの石を集める所からかな、皆、お願いします!」


「「おうっ!」」


 それからは早い石見つけたら収納の、繰り返し十分ほどで集まった。


「では! 鉄板がこのサイズかな」


 落ちてた枝で砂浜にロの字に線を引く。


「これの上に高さが合うように並べてね、作業開始!」


 ドスン


葉月「大き過ぎますの······一つで足りると思いましたの······」


 そこには腰の高さの平たい大きな石が······。


「うん、これはまた使うから俺の分拾い過ぎたし半分使って」


 ドスドサドドトサッ


葉月「ありがとうですの!」


 とりあえずこの石は収納! 島の改装時に使いましょう。


「うん、いい感じに出来たな」


聖「適度に隙間も!」


紗々「何か楽しいです」


葉月「今度は完璧ですの!」


三葉「皆はまだまだじゃの、何ヵ所か石を置かないスペースを作って内側は砂で目止めしてしまうのじゃこんな感じじゃ」


「完璧! 流石三葉」


「「凄い!」」


三葉「ほれ、やってしまおうではないか」


 三人が作業している内に鉄板を虎鉄達に綺麗にして貰い一旦収納、ほどなくして石積み完了。


「じゃあ、次は炭を真ん中に出して火を着けます」


 小山にした炭に種火の生活魔法で火を着ける。


「いい感じに火が着いたら全体に広げます! 火傷注意ですのでゆっくりでね、急いでやると火花が飛び散って危険です!」


 皆は恐る恐る広げていく。


「で追加の炭を入れてくね」


 ぱらぱらと満遍なく敷き詰める。


「さて鉄板置くんだけど四角に高さが5センチ上がるくらいの石を置いてくれる?」


三葉「空気の取り入れするためじゃな」


「そうそう、下の隙間だけでは空気足りなさそうだからね」


 四角の石を置いたの確認し


「鉄板置くよ! そーっとほい」


 ズンズンズンズンズン


「そこ少し斜めになってるね、鉄板どけて、石を替えて鉄板ドン! 良いかな、四角つついてガタガタしないか確かめて」


「「オッケー♪」」


「後は隙間からそよ風で火を大きくして鉄板を熱くしてしまおう!」


三葉「あらかた完成じゃの、皆はまだ話しておるの」


紗々「一緒が良いのでしょうが、皆の考えもあるでしょうし」


葉月「わーるどじゃんぷの皆がいれば良いですの!」


聖「まぁ、騒がしい三人は別に一緒で無くても良いかなぁ~って思うよ(苦笑)」


「そうだなぁ、流石にアモルファスには置いておきたく無くなったから連れて来たが、この後ずっとはね、皆の意見次第だなっと鉄板から煙が出てきたから脂を塗りますか」


 イノシシ脂を鉄板にぬりぬりと五枚全部に、次は焼く前にも一回かな。


「野菜とか仕入れたかったがお金あんまり無いしねぇ」


葉月「二万プル貰って二千五百プル使いましたの」


紗々「時間無かったのが残念ですね」


聖「果物は?」


葉月「採用ですの! ちゃぶ台出して下さいですの! 平たい籠は······ありましたの! 凛ちゃん綺麗にして欲しいの! 籠盛り完成ですの!」


紗々「後、カニさん一旦逃がして上げませんか?」


 確かに円ちゃんの背中に乗せたまま忘れていた······。


「「賛成!」」


「そうだな、そうしよう!」


 ロープをほどき逃げそうな所で転移!

 パッ


「また今度だな、ん? 何か来る?」


「こんばんはー」


「こんばんはですの?」


「良かったー日本語解るのね!」


 森から出て来たのはスケルトンだった······。

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