第4章 アリスと水龍 第14話

第14話 アリスは川の主さんと出逢う


光の宝珠の儀式が済んでから一週間後に僕は川辺で釣り糸を垂らしていた


僕の住んでいる村はオルザルド帝国辺境領ズワルド公爵領の東方の果て

魔の森の近くのオリエント村と言う所だ

魔の森は村の更に東側にある大きな川のスグルト川に隔てられている。


魔の森のモンスターでもこの川を渡るのは難しいらしいんだ

一応、天然の防壁代わりになっている川なんだよ。



僕は川の流れを調べて村に用水路を通す計画を立てたんだ

痩せた土地の土壌改良にも用水路は必要だと思ったし

村の農家は井戸から水を撒いていた、面倒臭いよね

何よりも僕は土魔法が一番の得意技だからね。土建屋アリスが頑張るだよ。


だから川の水量調査と水産資源(魚類)の為の調査だよ

それでボッチで釣りをしていた

決して遊んでいた訳では無いよ、貴重な食糧確保じゃん。


モンスターが出る魔の森のソバの川だから、ゾロゾロとアリス紅蓮団を引き連れて来ると大人に反対されるから、僕一人で来ていた

まぁ、ある程度の魔物なら僕が一人でも大丈夫だろうし

しかも僕は身体強化で逃げ脚が速いから

アリス紅蓮団と一緒だと却って邪魔だと思ったんだ。


一応念の為に武器は持ってきたよ

お母ちゃんに貰ったオリハルコンの短剣(買うとメッチャ高い)と弓一式。

そんな準備をして、お一人様で釣りをしていたんだ。


まぁ、まぁの釣果で、そろそろ帰ろうかなと思った時に大きく竿が撓(しな)った。


大物だぞ‼️ 僕は慎重に竿と釣り糸をコントロールする。


これでも前世でも実家が田舎だったので(なんか田舎に縁があるんだなぁ)

子供の頃には岩魚や鮎とか良く川で兄貴達と釣をしていた。


そんな僕でも、初めての強い引きだった

最初は水棲のモンスターかと思ってビックリしたよ。


だけどモンスターだったら攻撃本能で直ぐに水面に出てきて襲ってくる筈だ

おおよそ格闘三時間(アリス脳内時計)たっても竿も折られず釣り糸も切られずに

釣り針も外されずにやっと岸に寄せる事が出来た。


ゆらりと巨きな魚影が見える川の主か?

と思う程の巨きな魚だった。日本の鯉に良く似た魚影だったよ。


糸が切れそうだからこれ以上は、もう上げらない

そこで僕は勢いよく川に飛び込み魚の身体を抱えて岸に

もっと寄せようとしたら、どこからともなく声が頭に響いて来た。


『助けてくれで、ごじゃる』

『コレ人間の娘よ、後生じゃ』


なんか珍妙なごじゃる言葉が頭に響いてくる


んっ⁉️川の主なのか❓

「お前は川の主さんかえぇ」とつられてしまった。(釣りだけに)

言葉に出すと相手には何故だか通じたんだ。


『そうじゃ、我はこの川の主ぞえ』

『修行の為に上流の滝に行くとこじゃった』


んんっ⁉️滝に修行、鯉の滝登り❓ 何故、急に日本モード❓

あっ、あれは中国の故事だったっけ❓


何故、前世的なイベント発生❓ なんでも有りなの⁉️この異世界は

と言う事は、これって鯉⁉️ そこで鯉こくを思い出し、涎がじゅるりとなる。

(鯉こくは好き嫌いの有る郷土料理、ググってねぇ〜)


そう思った時に巨きな鯉の胴体が震えた。考えが伝わったのか?

言葉を交わすと相手に情が生まれるみたいで、可哀想に思った僕は言った


「今日は川の恵みも、いっぱい貰ったし、いいよ」釣果は大漁だったし

「キャッチ&リリースしてあげるよ」逃してあげた方が良いだろう。


『キャッチ・・・?』


「逃してあげるってこと」


『情け深き人の娘よ、感謝するでごじゃる』


巨きな鯉の胴体から手を離すと、その鯉は嬉しそうに泳いで行った

そして川の中央で大きくジャンプ

その巨きな鯉が感謝しながら、別れを言ってるのが分かった。


バイバイと手を振りながら僕は岸に上がった

夏が過ぎて、まだ暖かい日差しだが、びしょ濡れの衣類が気持ち悪いよ。


岸辺を見渡しても誰も居ないし僕は釣り竿と

そこら辺に落ちている木の枝で濡れた服を干して乾かす事にした。


もう一度辺りを見回して可愛い下着も脱いで裸になる。ちょっと恥ずかしい。

でも誰も居ない岸辺で素肌で居る解放感‼️ わたしゃ裸族かwww

可憐な美少女のオールヌードだよ。自分で言ってて照れるけどね。


顔はキュっと、小顔でハーフエルフの母親譲りの美貌を誇るし

風になびいて美しく輝く金色の髪に青い瞳の、イケナイ美少女なんだ

父親の体格の良さを引き継いで10歳にしては高い身長と伸びやな手足は

見方によっては14〜5歳位にも見えるかもね。


そんな美少女の素っ裸だよ。別に読者サービスでは無いんです‼️


感謝すべきは両親の優秀なDNAだよね。全裸のまま『ふぁぁ』と背伸びをする

白い素肌を日差しが優しく照らし、川岸を通る柔らかい風が裸の肌に気持ち良い

最近、主張を始めたばかりのちょっと残念な小さな胸

その頂点には小さなピンク色の可憐なさくらんぼが付いている

ちょっぴり女らしさを増して来た腰周りに長い手足が伸びやかだった。


男性に転生予定だったがERRORで女性に産まれ落ちたけど、でも最近は

モデル張りのスタイルで金髪の可愛い美少女も中々良いと思う様になってきた。


何しろモテるんですwww


前世の腐女子時代から考えると信じられない位モテる、ウザい位モテるんです

悪く無いぞ❗️ 金髪美少女‼️ 

ずっとコスプレで可憐な美少女を演じてる気分にもなる

演じてる感じが凄く良い❗️ なんと言っても良い‼️ 良いは正義だ‼️

だから金髪美少女は正義なんだ‼️ と妄想をする元腐女子です。


川岸の土手の柔らかな草の生えている所に布を引いて体育座りをする

空が青いなぁ。夏直前の日差しと川岸を渡る風は素肌に優しい。


先程の川の主さんとの格闘の疲れも有り

いつの間にか暖かな日差しに意識はしだいに遠くなる・・・・





『むすめよ・・・にんげんの・・・・・』

『人間の娘よ・こ・れ・・起きておくれ・・・』


【んんっ・・誰か呼んでる?・・・】微睡の中、僕を呼んでる声が頭に響く。


『人間の娘よ、目を覚ましておくれ』はっきりと聞こえた。


「ん〜?・・だぁれ〜・・・」気持ち良く寝てたのに・・・



眠い目を擦り、起きると素っ裸の僕の前には『龍』が居た‼️










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