第4章 アリスと水龍 第15話

第15話  アリスと水龍との出逢い


川岸で濡れた衣類を乾かす為に、いつの間にか裸のままで寝ていた僕である

その龍を見てびっくりした。何せ前世も含めて龍なんて生き物は初御目見得である


そして僕は無防備にも全裸で寝ていた事に気が付いた。


「キャァァァァッ‼️エッチィィィ〜〜‼️」大絶叫である。


これ、素っ裸なのは僕の所為で、龍さんは何も悪くない

その次に間髪を入れずに叫んだ言葉が

「私、まだ子供だから犯さないでぇ〜‼️」(大人だったらいいんかい‼️)


うん、でも一部のマニアの殿方には堪んないと思うよ

とっても可愛い金髪美少女が素っ裸だし。


「食べないでぇ〜‼️美味しく無いし〜〜‼️」

龍の食生活なんて知らないし。


僕は必死になって絶叫して、頼んだよ、だって目の前に龍が居るんだもん‼️


『コレ、落ち着け人間の娘よ』

『我は人など食わん』


ちょっと一安心した僕なんだ。


『それに人の女に食指が湧かぬ訳では無いが、』

『我にも、好みというモノが在る』


ちょいと一安心したけど、なんだかムカつく〜‼️

龍さんの好みというのも、ちょっとだけ興味があったけどね〜


前を隠しながら立ち上がると、そうしたら龍さんが


『後ろを向くゆえ、服を着るが良い』


『あっ、意外と龍さん紳士なんだ』

そう思いながら、もうすっかり乾いていた下着と服を手早く着た。


『我は、このスグルト川の精霊獣の水龍なり』

『名はスグルトと申す』


えっ⁉️龍って精霊獣なの❓ 名前は川の名前のそのまんまなんだ

しかも洋風のドラゴンでは無く和風の龍の姿をしていた。


「私はアリス・キルヒアイスと申します」

と名乗ったよ、人?と会話する時には僕と言わず、私と言う僕なんだ

だって、そうでしょ中世ヨーロッパみたいな文明文化で女性が

『僕』とは言わない位の分別は僕には有る。


『ほほぉ、キルヒアイスと申すか、母の名はアーデルハイドかぇ?』


あっ、お母ちゃん有名人なんだ。龍にも知り合い居るなんて

「はい、アーデルハイドと申します」


『善きかな、善きかな、あのハーフエルフの娘御か』

『それで我と話せるのも、納得というもの』


あっ、良く考えたら、さっきの川の主さんといい水龍のスグルトさんといい

普通に会話をしてるもんね

会話というより相手の言葉が直接、頭に聞こえてくるんだよね

念話?みたいなモンかなぁ?


まぁ、これもお母ちゃんの遺伝子? スキル異世界言語?


『心優しき人間の娘、アリスよ』

『其方に礼を言いに来た』


んっ?なんのお礼って?と想っていたら

『先程は、我の眷属の鯉を助けてくれた礼を言いに来た』


あっ、さっきの巨きな鯉さん❗️川の主さんかと思ったら

水龍さんが川の主さんだから、眷属になるんだ。


『むやみな殺生はするなとの、母の教えにございます』

まぁ、こういう時は有名人のお母ちゃんの教えという事で❗️


そうして水龍さんから『礼をしたいから近う寄れ』と

そう言われても、ちょっとリアル龍さんは怖いよ。躊躇っていると


『この姿の方が良いじゃろう』

と龍さんが言うと白い霧が、ぽわんと目の前に


その白い霧が晴れたら無茶苦茶なイケメンさんが水面の上に立っていた

なんか、純和風な出立ですよ。着流し風の和装と羽織りなんです

和風の龍だから和装の着流しなの?

淡い彩色の濃淡の有る水色の羽織りが超イケメンに良く似合うんです。



ええっ〜、水龍のスクルドさん超格好良いんですけど〜

ちょっと頬を赤くしながら、水龍さんに近寄った


するとスクルドさんがひょいと懐より取り出した物は直径が10cm 、5cm 、

1cm位の綺麗に透き通った水色の球だった、それを差し出した。


『コレは我の法力を込めた宝球なり』

『精霊の加護の有る水が溢れ出る物なり』


『大きな球は井戸に、中の球は家の甕(かめ)にでも』

『小さき球は水筒にでも入れて持ち歩けば、水には困らぬであろう。』


わぁぉ❗️超絶素晴らしいアイテムじゃん‼️

しかも精霊の加護の水って⁉️ 帰ってお母ちゃんに聞いてみよう。


「ありがとうございます。水龍のスクルド様」

「我が家の家宝となりましょう」


おおっ❗️アリスちゃん偉いぞ❗️ちゃんと挨拶出来たじゃん‼️


『それと心優しき娘に精霊と語らえる能力を与えよう』

えっ❗️凄いチート能力じゃん。


そう言った水龍のスクルドさんは僕の頭に手を翳した

ちょいと、ビリ、ビリっとした後に、ピロリンとお馴染みの電子音がして


『スキル異世界言語に精霊と会話できる能力が加わりました』

他の精霊とも会話できるのかなぁ?

『水龍により水の加護が与えられました』

『これにより水魔法適正が⑩になりました』

『条件を満たしましたので水魔法レベルCになります・・・』

『・・・水魔法レベルAになりました』

『水魔法がレベルAになりましたので魔力循環がレベルBになりました』

とアナウンスさんが教えてくれた。


レベルBにレベルAっ‼️これって、大魔道士レベルじゃん。


あっ❗️そうだ‼️ついでに、アレ頼もう。

「水龍のスクルド様に、お願いが有るのですが」


『なんじゃ、遠慮なく申してみよ』

おぉ、スクルドさん太っ腹じゃん。ニコっと笑うイケメン水龍さんに

惚れてしまいそうな美少女のアリスちゃんですw。


「私の村まで川から用水路を、引きたいのですが」

その為に川の水量の調査にも来たのだった。


『用水路なる物とは、なんじゃ?』


「川より畑に水を導く物です。それで畑の実りが良くなります」


『ふむ、其方は豊穣の女神の加護持ちじゃったな』

あっ、精霊獣の水龍さんだと僕の持ってる加護とか分かるんだ。


『我程の大河ならば何も問題は起こらぬ』

そうだよね〜、ちょっとだけ頂戴したいんです

『よかろう、許可をいたす』





巨きな鯉を助けただけで、なんか僕は貰ってばかりだなぁ。






----------------------------

☆マークや♡マークを押して、温かく応援して下さると、とても嬉しいです。

読んで下さる全ての皆様に感謝いたします。


応援して下さる皆様がいてこその創作活動の励みになっています。


これからも、どうぞよろしくお願い致します。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る