第121話 曲垣君、初めて僕のうちに来る
さっきまで日向ぼっこしていた座敷に
「ありがとう、オペラ」
「ごゆっくり〜」
オペラは曲垣君をチラッと見ると軽く挨拶して出ていった。
「お前のうちは派手な奴が多いな」
「まあね。気にしないでよ」
僕は彼に座布団をすすめると、茶菓子を並べた。今日は母さんの手作りじゃなくて『金華堂』のねりきりだ。
「今日はどうしたの?」
「どうしたの、じゃねえよ。なんで二回も稽古サボってんだ」
しまった。
美紅の事で、稽古をすっかり忘れてた。
「なんかあったのか?」
「あ、うん……」
「あの手帳のせいか?」
手帳——。
曲垣君が言っているのは、あの『
確かにあの手帳のせいで、
あの時はまさかこんな事になるなんて思ってもいなかった。僕は曲垣君に美紅の事を話し始めた。
「実は——美紅がいなくなったんだ」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます