第96話 手帳の中の世界2
カタン、と硬質な音がして
母方の家に伝わるもので、
昨夜二人を——
飾り玉は妙にヒヤリとして冷たかった。
それと同じくらい冷えた目で母は二人を見ている。いつもと違う母の姿に、佐和は思わず姉に身を寄せた。
「今から話すことは絶対に他人に話してはならぬ事です。——それはいつからはわからぬほど昔から母から娘へその娘が母になればまた母から娘へと受け継がれて来た宝玉です」
二人はそれぞれの手に乗る珠を見た。
「母の母の母の——ずっと昔の方に不思議な
そして、次の代へと受け継いで行きなさい、と母は話を終えた。
話し終えた母はまるで重荷をおろしたかのように、明らかにほっとした表情を見せ、いつもの優しげな顔に戻っていた。
反対に、
手にした宝珠が、母の言葉と共に娘に受け継がれ、秘密と共に何か解らぬ重責を押し付けてくる。
佐和はぞっとした。
しかし反対に
「——お母様、使い方は……?」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます