誰のうんこ!?
さいとう みさき
登校班は緊急招集だ!
「
六年生で班長の一ノ瀬誠(いちのせまこと)君は
「きっと
三年生の二宮涼太(にのみやりょうた)君は早速犯人だろうと思わしき人物(犬)を特定する。
「待って、
四年生の四谷明美(よつやあけみ)ちゃんがそのうんこの大きさからチワワのターボでは無いと主張をする。
「だけど、こんな駐車場にうんこするなんて…… まさかネコ?」
同じく四年生の五十嵐清太(いがらしせいた)君は犬がうんこするには場違いな場所であると言い、猫である可能性を
「でもネコならこんな大きなうんこはしないよ? これってシベリアンハスキーみたいに大型犬で無いとしない大きさだよ?」
僕はそのうんこの大きさから猫であるはずがないと
今年副班長になった僕は五年生で六道景勝(ろくどうけいしょう)と言う。
僕たちは登校班の集合場所であるドラックストアーの駐車場の入り口にいる。
何時もここに午前七時半に集まり登校班を組んで学校へ行くのだけど、今日は一番最初に来ていた
「
「そうそう、この辺の家は皆ちっちゃい犬ばかりだよ?」
でもこの大きさ。
普通の小型犬じゃないのは確実だ。
「まあマテ、
「いや、
「そうそう、大きな犬以外にこんな大きなうんこする
僕も
だって犬以外に考えられないじゃないか?
「発想を変えよう。もし象をも持ち上げられるほどのでかい鳥がいたらどうだ?」
「ちょっと待って、それどんだけ大きな鳥だよ?」
そんな怪鳥がこんな町中にいる
それに鳥のうんこってもっとびちゃってしているはず。
「そんな怪鳥がいるなら人面犬とかかもしれないよ!?」
「「「「いやいや、それは無い」」」」
「でも、そうするとこのうんちって誰のよ?」
言われてみんなで改めてそのうんこを見ると、色的には少し白っぽい。
そして僕はそれを見てやはり犬ではないかと思う。
「やっぱり犬なんじゃないかな? だってドックフード食べてる犬ってこんな感じのうんこするもん」
僕がそう言うと
「あ、ちょっと待って。うんこが割れた断面に何か有る…… この黄色いのはトウモロコシ!?」
「ふふふ、では犯人は牛だな! この前社会見学で牛舎で
「それは無いだろう、だってここ町中だよ? それに牛のうんこってこんな細長くないだろうし草が混じってるってはずだよ? 田舎のじいちゃん家で見た牛のうんこってそんなんだったよ?」
まさしくオーソドックスな犬のうんこっぽい。
しかし犬がトウモロコシを食べるのだろうか?
「トウモロコシを食べるって事は……
「どんだけでかいハムスターだよ!?」
思わずそんな彼に僕は突っ込みを入れてしまった。
「じゃあ、おっきなモモンガー!」
「それ、こわっ! そんな大きなモモンガ―が飛んできたら、こわっ!!」
もしかして
このおしどり
「まあマテ、それでは鳥とモモンガ―の間を取ってシマリスと言うのはどうだ?」
「間を取ってなんでシマリス!? と言うか
なんかもう言ったもの勝ちみたいになってきた。
なら僕だって!
「みんなここでうんこをした
ざわっ!
僕のその発言にみんなざわつく。
「た、確かにその可能性を忘れていた。もし誰かがここへうんこを捨てたなら……」
「あり
「ふふ、見えてきたな。分かったぞ
ばばぁーんッ!!
しかし
「最近学校の近くに新しいドラックストアーが出来ただろう? ここのドラックストアーとは別の名前の」
「あ、そう言えばお菓子が安売りの広告出てたわね!」
しかしそれが
「どう言う事だい
「いいか、ドラッグストアーがこの近所に
「えーと、ここと学校の近く、それと登校中に一つ……」
考えてみれば
僕が小学生一年生の時はここのドラックストアーくらいしか無かったのに。
「つまりはドラッグストアーの客取り合戦で古くからある有力な店を
「「「「な、何だってぇっ!?」」」」
確かにお店の駐車場の入り口にこんな大きなうんこが有ったら誰も
しかも新しいお店の方が
だとするとこれは僕らの班に対する
「な、何て恐ろしいの…… うんちが入り口に有るだけでこのお店の品物がなんか全部うんちっぽく感じるわ!!」
「た、確かに、
「うん、かりんとうなんかもっとそれっぽいよね……」
だけど僕は知っている。
このお店には僕らが集まって集団登校をする頃におじさんの店員さんが毎朝この駐車場を
「でもこんな事してもここの店員さんのおじさんがもうじきやって来て
「た、確かに……」
「そう言えばもうすぐあのおじさん来るよね?」
「えー、じゃあなんでこんな所にうんこが?」
「ふむ、
すると向こうからエプロン姿のいつものおじさん店員がほうきとちり取りを持って出てきた。
「見よ、ドラッグストアーのおじさん店員が出てきたぞ! そして犯人はこのうんこを見て
一体誰が?
そしてこのおじさんに
「おんやぁ? 君たちどうしたんだい? いつもはもう学校へ行く時間じゃないのかね??」
「おじさん! これ見て! うんこだよ!!」
するとおじさん店員はそれを見てぎょっとする。
「おじさん、誰がこんな
僕は思わずおじさん店員に聞いてしまう。
だってこんなのは
しかしおじさん店員はそれを見てため息を
「こんな所に
言いながらおじさん店員は
僕たちは思わず顔を見合わせおじさん店員についてく。
すると段ボール置き場に誰かが倒れている!?
「ま、まさか死体!?」
「なんだと!? このうんこ問題はとうとう殺人事件にまでなってしまったか!?」
「いやぁーっ! 怖いぃっ!」
「だ、大丈夫だよ
「すっげー、本物の死体だ!!」
僕も
するとドラックストアーのおじさん店員は恐れも知らずにその死体に手を付きこう言う。
「やっぱり
「「「「「へっ?」」」」」
おじさん店員がそう言いながらその死体を揺らすとその死体は動き出しむくりと起き上がる
「うーん、もう飲めねえぞぉ~」
「まだ
僕たちが
そしてまだ酒
それを苦笑しながらおじさん店員は
と、僕たちを見て言う。
「おっと、君たちもそろそろ学校行かないと遅刻するよ?」
「「「「「あ”っ!」」」」」
ドラッグストアーのおじさん店員にそう言われ僕らはもうだいぶ時間が過ぎている事に気付く。
「まずいぞ! 全員並んで急ぎ登校だ!!」
「そんな、無遅刻無欠席でずっと
「そうだね、
「凄いね、
「
こうして僕たちは
……あのうんこ、なんで白っぽかったのだろう?
誰のうんこ!? さいとう みさき @saitoumisaki
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