第二話 傀儡師はすべてを支配する。

 わたしの可愛いお人形たち。きょうもわたしが遊んであげる。

 メリー、おとなしくしなさい。聞き分けのない子には「おしおき」よ。きょうもごはんは抜きね。


 なに? その顔は? わたしに逆らうの? この手で逆らうの? この足がいうことを聞かないの?


「だったらそんな手はいらないわね?」

「そんな足もいらないのね?」


 わたしはいらない手足をもぎ取ってあげた。なんて優しいんでしょう。

 そしたらメリーはとってもいい子になったわ。ほら、ケーキを召し上がれ。


 ジェーンはお外に出たいの? ダメよ、ひとりでは危ないわ。お外にはこわいものが一杯あるのよ。

 あらあら、ひとりで出かけちゃったわ。だいじょうぶかしら? そんなところに行って?


 ほらほらやっぱり――。こんなところに崖があるじゃない。気をつけないと――。

 あらあらやっぱり――。ジェーンったら崖から落ちちゃった。


 手も足も、首まで取れてばらばらになっちゃった――。ううん、ママは怒ってなんかいないわよ。

 手も足も、首も体もママが拾ってあげる。


 さあ、ベッドに戻っておとなしく寝なさい。あしたもまた一緒に遊ぶんだから――。

 いつまでも、いつまでも。


 いつまでも――。

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