ご主人様と野良猫
吟鈴
第1話 出会い
この子との出会いは突然だった。
雨の中、いつもの帰り道に紺色の傘の中で助けを求めるようにか細い声で泣いていた。
あまり人の通らない細い道。気付く人なんて時間帯によっては現れない。
「ミャァー…」
私は子猫の前にしゃがみ込み小さな声で声をかけた。
「行くところ無いの?」
その子は私の質問に答えるかのようにもう一度鳴いた。
「良かったら私の家に来る?」
野良は基本人間を嫌う。それも捨てられたばかりだと余計。
けれどこの子は私の手にすり寄ってきた。
まだ人間を信頼してくれてるのかもしれない。
私は自分の傘を閉じて紺色の傘を拾ってからこの子を抱き上げた。
「さぁ、帰ろう。」
これが私とこの子…【紺】との物語。
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